復興庁は6日、東京電力福島第一原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町の全世帯を対象にした調査結果を公表した。大熊町に「戻らないと決めている」との回答が5割近くあり、理由は「放射線量への不安」が約8割を占めた。帰還を望む世帯はわずか約1割にとどまった。
調査は9月7日から同24日にかけ、福島第一原発が立地し、立ち入りが制限されている大熊町から避難した全5378世帯に郵送によるアンケート方式で実施。63.7%にあたる3424世帯が回答した。
調査では45.6%が大熊町に「戻らない」と答え、「戻りたい」は11.0%、「現時点でまだ判断がつかない」は41.9%。10〜30代で「戻らない」が54.7%と多かった。「戻らない」とした理由を複数回答で聞いたところ、「放射線量に対する不安」が最多で約8割、次いで「原発の安全性に不安」が約7割。避難の状況については「世帯でまとまって避難」が6割近く、「複数箇所に分かれて避難」も3割を超えた。