■乾燥による放射性セシウム濃度の高まり
農作物を乾燥させれば、当然重量が軽くなる。水分がなくなるからだ。
このため、乾燥させた食品は放射性セシウム濃度が高まる。乾燥シイタケなどがその代表的な例だろう。
しかし、乾燥しただけでは説明できない濃度の高まりがあることが、このほど判明した。
2012年10月29日、
福島県農業総合センターが切干ダイコンを使用した試験研究結果を発表した。
この試験結果、乾燥させる場所によっては、
想定以上の放射性セシウム濃度になることが確認されたのである。
■干している場所による放射性セシウム濃度の変化
同センターでは、切干ダイコンを乾燥機による乾燥と以下の場所で乾燥させることで、
放射性セシウムの濃度の変化を確認したのである。
①松の木の樹幹地表
②乾燥小屋地表
③鉄筋ビルの軒下の壁際地表
④乾燥小屋地表1m
⑤乾燥小屋地表2m
この結果、乾燥機では検出されなかった1キログラム当たりの
放射性セシウム濃度は以下のようになった。
1位:鉄筋ビルの軒下の壁際地表(3421ベクレル)
2位:乾燥小屋地表(892ベクレル)
3位:松の木の樹幹地表(220ベクレル)
乾燥器では検出されなかった放射性セシウムが干す場所によって最大で3421ベクレルまで高まったのである。
これは、乾燥時に「ちり」や「ほこり」が付着したことが原因であるとしている。
高放射性セシウム濃度を検出した切干ダイコンほど、ちりやほこりの付着が多かったことが確認されている。
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naka773】

平成24年度農業分野における放射性物質試験研究成果説明会
http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika