Updated: Tokyo  2012/11/06 18:12  |  New York  2012/11/06 04:12  |  London  2012/11/06 09:12
 

G20:財政赤字削減への姿勢緩和、成長への影響配慮-声明

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  11月5日(ブルームバーグ):G20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁は、米国などによる財政緊縮が世界経済の成長を一段と阻害する恐れに配慮し、財政赤字削減に専心する姿勢を緩めた。

メキシコ市で開かれていたG20財務相・中央銀行総裁会議は5日閉幕。財務相らは会議終了後の声明で、弱い景気拡大に言及し「回復を支援する上で適切な財政再建ペース」を確実に維持すると表明。大統領選挙の投票を翌日に控えた米国は、赤字削減ペースを「慎重に調整する」と約束した。同国は6070億ドル(約49兆円)規模の税負担増と強制的な歳出削減といういわゆる「財政の崖」に直面している。

G20の先進国は2年前に財政健全化を進める方針で合意したが、今回の表明により、成長を阻害しない形での財政再建への方向転換が明確になった。

ドイツ銀行の主任国際エコノミスト、トルステン・スロック氏は、今回の声明は「緊縮専心姿勢を緩める方向へといかにコンセンサスがシフトしたかを示している」と指摘。「以前は財政緊縮が最善と考えられていたが、市場は現在、そう思ってはいないようだ。政治家は、実行可能な目標について現実的になる必要があると認識している」と説明した。

声明は日本に対し、対国内総生産(GDP)比237%にある債務水準の抑制に向け一段の措置を取るよう促し、欧州には銀行監督一元化などの新たな危機対策を先延ばししないよう求めた。

財務相らは声明で、世界成長が緩やかなペースにとどまっており、依然大きな脅威にさらされていると分析。具体的なリスクとして欧州での救済措置の遅れや、米国 の急速な財政緊縮、日本の今年度予算の財源をめぐる政治の行き詰まり状態を挙げた。

G20はこのほか、より市場主導型の為替制度への移行迅速化や、通貨切り下げ競争の自制、永続的な為替不均衡の回避といった目標をあらためて示した。新たな世界共通の銀行規則を完全かつ適時に実施する方針も再度表明した。

原題:G-20 Dilutes Budget-Cut Goal to Spur Growth as U.S.Pledges Care(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Joshua Goodman jgoodman19@bloomberg.net

更新日時: 2012/11/06 09:03 JST
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