里子の女児に性的暴行、父子を摘発

実母との連絡が途絶えた里子の女児に10歳の時から性的暴行
一方で毎月数十万ウォンの支援金を受給

 母親の再婚によって行き場を失った2歳の女児を引き取った親子が、女児が10歳になってから常習的に性的暴行を繰り返した容疑で検察に摘発された。この親子は女児に暴行を続けていた最中の2007年以降、保健福祉部(省に相当)家庭委託支援センターから毎月数十万ウォン(10万ウォン=約7400円)の支援金まで受け取っていた。この事件を受け、家庭委託保護制度そのものを見直すべきとの声が相次いでいる。

 家庭委託保護制度とは、親(親権者)の疾病、離婚、収監、死亡などで行き場を失った子どもたちのために里親を探す制度で、2003年から実施されている。里親となった家庭は犯罪歴や児童虐待、薬物中毒などの前歴があってはならず、また子どもを引き取るに当たっては必要な教育を受けなければならない。この制度によって新しい家庭に預けられた子どもの数は、2011年の時点で1万5486人に達し、ここ9年で約2倍に増加した。

 ソウル中央地検女性児童犯罪調査部は5日、2006年から昨年まで、委託を受けた女児に性的暴行を加え続けた容疑でH容疑者(62)を在宅で起訴し、その息子(33)を逮捕・起訴したと発表した。

 検察によると、親子は1998年に女児を引き取ったが、女児の母親が再婚して連絡が途絶えると性的暴行を加え始めたという。

 父のH容疑者は2006年、当時10歳だった女児に「風呂に入れてやる」と言って体を触り、その後07年冬から性的暴行を加え始めた。息子は妻が来ていた服を女の子に着せて旅館に連れ込むなどして性的暴行を加えた。検察によると、女の子は里親のH容疑者を看病するとの理由で、学校を欠席したこともあったという。

 親子はこの女児以外にも、2-7人の子どもを引き取って育てていたが、実の母親と連絡がつかないこの女児に対してだけ、性的暴行を行っていたと検察はにらんでいる。

 保健福祉部によると、女児が親子に預けられたのは家庭委託保護制度が始まる前だという。制度はその後に始まったが、親子は必要な教育や審査を受けないまま制度の適用を受けたという。

 犯行が明らかになったのは昨年5月。女児が学校でカウンセラー担当教諭に自らの事情を話したことがきっかけとなった。女児は親子に対する処罰を希望しているが、親子は犯行を否認している。父のH容疑者は脊椎手術を受けたばかりで体が不自由なため、在宅で起訴された。

■家庭委託保護制度

 親(親権者)の疾病、家出、離婚、虐待、死亡などの理由で行き場を失った子どもに里親を紹介する制度。「委託父母」と呼ばれる里親は、仮定委託支援センターで必要な教育を受け、その後も担当者が家庭を訪問し、あるいは近所に様子を聞くなどして、その家庭が里親として適切か確認するという。

韓慶珍(ハン・ギョンジン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>