事情を知らない者には奇異に映る話ですが、実際にはニーズがあるようで。
神戸新聞|くらし|生前から入居者が墓友に 高齢者住宅が共同墓建立
「墓の管理で子や孫に負担を掛けたくない」「高額な墓をつくるのに抵抗がある」。少子化に伴うお墓の継承難などから、墓に対する高齢者の意識が変わりつつある。そうしたニーズに応える形で、入居者向けに共同の墓をつくる高齢者住宅も相次いでいる。
・・・
老人ホームなどの施設で入居者が亡くなった場合、送葬や遺品引き取りは親族に委ねられることが多い。同園生活サービス課長の小林敏彦さん(47)によると、子どもがいなかったり、親族との関係が途絶えていたりする人には、墓をつくるという選択肢がない人も多い。「不動産を処分するなどして、人生を整理して入居したのに、死んだ後でまた昔の血縁関係に縛られるのを嫌う人もいる」と話す。申し込み後、「負担の大きい墓の管理は自分の代で終わり」とほっとした顔を見せる人もいるという。
・・・
高齢者住宅情報センター・大阪(大阪市北区)のセンター長、米沢なな子さん(59)は「自ら高齢者住宅を選ぶような人は、『自分のことは自分で完結したい』という傾向が強い。生前から住民同士が“墓友”として絆を深める、そんな死の準備があってもいいのではないか」と話している。
さすがにこういう施設が看取りをやってくれるかどうかは別問題ですし、墓自体、施設とは離れたところにあるわけです。それでも、施設の人と一緒に眠るのだと思えば、「終の住処」としての愛着も増すというものではないでしょうか。
墓をめぐる日本人の意識は、急速に変化し、かつ多様化しているように見えます。
#### 当ブログでは、寄稿記事ならびにブログネタを常時募集しています ###
[この記事のタグ]:お墓, 高齢者, 高齢者施設, 高齢者住宅, 兵庫, 墓友