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【若手記者が行く】科学取材…専門用語飛び交い理解不能の世界、頭が真っ白に
「記者って凡人のプロ」
入社前、在学していた大学のマスコミに関する講義に招かれた新聞記者が、こう話していた。新聞は子供からお年寄りまで、専門知識を持たないたくさんの“普通”の人が読むものだから、普通の人に伝わるよう、普通の人が感じる疑問を専門家に質問し、普通の言葉で文章にしていくのが記者の仕事だという意味。
その言葉を痛感した出来事がある。8月、「筋力余裕度計」の開発を取材したときだった。記者2年目。立命館大学びわこ・くさつキャンパスがある滋賀県草津市を担当するようになって3カ月あまりで、初めての科学取材だった。
世界初の筋力余裕度計
「筋力余裕度計」は、体にセンサーをつけて屈伸運動をするだけで日常動作に必要な筋力を測定でき、年齢に伴う筋力の衰えもわかる機械で、開発は「世界初」というふれ込みだった。びわこ・くさつキャンパスにある立命館大スポーツ健康科学部の吉岡伸輔助教(生体力学)らの研究チームが開発し、発表した。
それまで取材してきたのは主に事件、事故。学者の研究などというものは初めてだった。
ただ、お隣の京都から出稿される京都大の「研究もの」の記事は、よく目にしていたから、研究の概要と意義づけ▽開発の経緯▽研究の詳細▽研究者のコメント-などという流れで、記事を組み立てればいいと思っていた。事件取材や人物紹介の取材で身につけた要領でやれば大丈夫だろうと思い、特に構えることもなく草津市役所で行われた記者発表に臨んだ。
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