香港、不動産バブル抑制へ課税強化-金利は手つかずのまま
11月2日(ブルームバーグ):香港では当局の厳しい対策にもかかわらず、不動産バブルがいまだに抑えられていない。記録的な低水準にある住宅ローン金利が世界一高いとされる香港の住宅の需要をあおっている。当局の対策は恐らく今回が最後とはならないだろう。
香港当局は先月、企業と非永住者による全住宅購入を対象に15%の上乗せ税を課すことを決めた。中国本土から殺到する買い手が価格高騰を促しており、融資を引き締める措置と合わせて対策を強化する。ただ、価格 高騰の最大の要因である借入金利は手つかずのままだ。香港ドルの米ドルとのペッグ(連動)制となっているため、金利も米国と連動する。
不動産市場の過熱抑制を目指す香港の梁振英行政長官とその前任者の取り組みは、3年間でほぼ2倍になった相場を抑えるのにこれまでのところほとんど実を結んでいない。梁長官は7月の就任後、新築住宅販売の許可ペース加速や銀行の融資基準強化などを盛り込んだ抑制策を3回にわたり導入。香港当局はここ1週間でも、追加措置を排除しないというシグナルを送っている。
不動産仲介会社クッシュマン・アンド・ウェークフィールドの評価・助言担当ナショナルディレクター、ビンセント・チョン氏は「全て時間稼ぎの政策だ」と述べた上で、「向こう2、3年は新築住宅供給がないため、こうした対策に訴えている。それまで香港ドルの割安感が続き、住宅価格を押し上げる圧力が常に残るだろう」との見方を示した。
住宅ローン照会サービスの経絡按揭転介によると、香港域内のHSBCホールディングスやスタンダードチャータードなど銀行が提示する住宅ローン金利は平均2.15%と、6年前の水準の半分にも満たない。
原題:Hong Kong Taxing Buyers in Real Estate Bubble Battle:Mortgages(抜粋)
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更新日時: 2012/11/02 14:20 JST