米国で自殺率が急上昇、07年の経済危機以降=調査
[ロンドン 5日 ロイター] 2007年の経済危機以降、米国で自殺率が急上昇していることが、英米などの科学者チームが5日に医学誌ランセットに宛てた書簡で明らかとなった。
同書簡の中で、英国、香港、米国の科学者らは米疾病対策センター(CDC)によるデータを分析した結果、1999―2007年の自殺率は緩やかに上昇していたのに比べ、2008―10年では増加率が4倍以上となったと指摘した。
同調査を率いた英ケンブリッジ大学のアーロン・リーブス氏は「景気後退が続く中、精神衛生を回復させるための政策が必要なのは明らか」だとし、「米大統領選を前に、経済活性化については議論がされても、こうした厳しい時代に米国民の健康をどう守るかという議論に欠けている」と強調した。
調査によると、ギリシャやスペイン、英国など、近年景気後退の打撃を受け、失業率が上昇している他の諸国でも同様な自殺率の上昇がみられるという。
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