万里の長城　２邦人死亡　雪山遭難、１人不明

　【北京＝渡部圭】新華社電などによると、中国河北省張家口市懐来県にある万里の長城で三日夜、山歩きをしていた日本人四人と中国人一人の計五人が暴風や雪のため動けなくなったと下山したガイドから警察に通報があった。捜索活動の結果、日本人女性二人が死亡、日本人男性一人が行方不明になった。日本人女性一人は無事だった。　

　死亡したとされるのは「渡辺邦子」さん（６８）と「小川」さん（６２）の二人。行方不明は「柳井尽一郎」さん（７６）。救出されたのは「渡辺美世代」さん（５９）。

　中国メディアによると、現場は北京と河北省の境界付近。一行はガイドとともに北京側から入山し、長城一帯を散策していた。雪のため動けなくなり、現場で救助を待っていた。ガイドの通報を受けて地元の警察、消防、軍が救助活動にあたった。

　遭難者の出身地などは明らかになっていない。北京の日本大使館には四日夜の時点で、事故についての連絡は入っていない。

　現場は多くの観光客が訪れる北京の八達嶺（はったつれい）の万里の長城とは異なり、一般客はあまり訪れない場所だという。新華社電などによると、現場に近い北京北西部や河北省は三日から四日にかけて大雪が降った。現場周辺は標高が高く吹雪だった可能性もある。北京から現地近くへ通じる主要道路では多数の車が立ち往生したほか、停電も発生し、約七千戸に影響が出た。