ここ数年、
人類で一番会いたかった人、
食べもので一番食べたかったものに、
念願叶って、会うことができました。
縁と、タイミングと、運と、奇跡が味方になってくれた気もしますが、
たとえ、がっかりするような良くないことが起こっても、
こうして、
そんな良くないこと以上の良いことが待ってるから、
諦めない人生を送れるんだろうなって思います。
青森空港からタクシーに乗ること2時間。
目的地に着き、
玄関を入り、
お部屋に通されると、
会いたかった方が、
お手伝いさん達と、
私が頂くお昼ごはんの支度をなさってました。
その憧れの方は、
1921年生まれの佐藤初女さんです。
「こんにちは、はじめまして、園山真希絵です」と、
ご挨拶を交わし、
記念撮影をした後は、
初女先生のそばで、
お昼ご飯の料理ができるまでをずーっと拝見させて頂きました。
本来、
調理風景なんて見ることはできないそうですが、
早く着いたため、
他のお客様がいらっしゃらず、
貸切状態だったからです。
スタッフさん達に、
「運がいいね。こんなの普通は見れないのよ」と、
おっしゃって頂いてたぐらい、
レアなケースとのことでした。
本当にありがたいことです。。。
自分がここに来て、
こうして初女先生の料理に触れられれた意味を考えると、
この場を借りて、
私が頂いたお料理をご紹介させて頂くことなのかなって思うので、
一部ですが、
写真と共にお届け致します。
まず、
私の目に飛び込んできたのは、
湯気のあがった「人参」でした。
同じ形に切られた人参は、
ややかために茹でて、
ザルで粗熱を取り、
しっかり擂られた胡桃・お豆腐・砂糖・塩が混ざった中に加わり、
白和えになりました。
私もちょっとだけ胡桃を擂ったりと、
お手伝いさせて頂きましたが、
初女先生から、
「特別よ」と言って、
味見もさせて下さいました。
この「人参の白和え」は、
映画『地球交響曲 第二番』にも登場する先生の十八番料理です。
白和えが出来上がると、
胡瓜が「五倍酢」に浸かってましたが、
酢の物には、
何十年も、
「五倍酢」を使ってらっしゃるそうです。
また、
胡瓜はあえて手でもまないで、
食感を残すそうです。
胡瓜が浸かっている中、
ガス台では、
まん丸なじゃがいもと、結びこんにゃくが、
コトコト鍋の中で踊り、
その手前では、
先生が春雨を切ってらっしゃいました。
ここでまたまた私もお手伝いさせて頂きました。
切り方を教わって、薄めに切った茗荷を、
先生が胡瓜の上にのせていき、
「胡瓜・春雨・茗荷の酢の物」の完成です。
因みに、
スタッフさん達が作られてる料理も、
先生が全て必ず味見をなさってます。
先生の本にも書いてありますが、
自分の舌を信じて、何度も味見をすることで、
自分の味が出来上がっていくし、
舌も鍛えられる
とのことなんです。
私も、
自分の店では、
どんなにおなかいっぱいでも、
味見をしますが、
先生が味見をなさってる姿を見たり、
味見をする理由を伺うと、
私も今まで通り、
味見をしながら料理をして、
自分の感覚と自信を磨こうと思います。
ここで、
えも言われぬほどのご飯のイイ香りが鼻に伝わってきたと思ったら、
2升炊き釜で炊かれたご飯が炊きあがってました。
ご飯を炊く時は、
「米何カップには、水何カップ」というふうに決めつけず、
お米はその時々で状態が違うので、
お米の吸水具合をみて、
水加減を決めるそうです。
これも、
素材と毎日向き合って、
るからこそできることなんだろうなって思います。
そして、
完成したのが、
こちらのお昼ごはんです。
「なめた鰈(ババ鰈)・ほくほくもっちもっちのじゃがいも・結びこんにゃくの煮物」
「オクラとわかめの赤だしお味噌汁」
「自家製糠漬け(枝豆・大根・昆布・胡瓜)」
「炊き立てご飯(お代わりしちゃいました)」
食べ終えてから頂いたおまけの「海苔の佃煮」 でした。
お客さんは私一人だけという何とも贅沢で貴重なひと時に、
先生と一緒にごはんを食べてましたが、
「下ごしらえも見れて、先生と2人っきりで食べられるなんて、こんな贅沢なことないんだからね~」と、
スタッフさんに何度言われたことか(*^_^*)
しかも、
「美味しい美味しい」と連呼しながら、
「枝豆の糠漬け」を食べていると、
「じゃあ、お代わりでこれもどうぞ」と、
スタッフさんが追加で持ってきて下さり、
さらには、
先生からも、
「これもどうぞ」と、
先生の分まで分けて下さったんです。
もっとゆっくり食べれば良かったと思うほど、
あっとゆーまに食べきってましたが、
余計な雑音のない穏やかな場所で、
時折、先生と他愛もない話をしながら、
ごはんを食べていると、
何だか妙に胸が熱くなり、
涙がこぼれそうになってました。
でも、
グッと我慢して、
美味しさと幸せを噛みしめ、
両手を合わせて、
ごちそうさまでしたが、
改めて確信できました。
「瑞穂の国」と言われる農業国「日本」に生きている私達には、
やっぱり日本のごはんが自然と合ってるんだって。
また、
自分一人で、
誰にも下ごしらえを見られることなく、
手間暇かけて、
気持ちを込めて料理を作っていると、
色んなことに気づきますが、
今回頂いたお昼ごはんのように、
心をかけて、手をかけて作られる調理工程を見ると、
自分で作っている時とはまた違う気づかなかったことに気づくんです。
料理も、「見えない下ごしらえ」が大事なんだって思います。
お昼ごはんを食べた後も、
嬉しいご褒美や、感動と気づきが待ってましたが、
続きは、
明日と明後日のブログに引き継ぎます。