2012-06-20 00:06:06 posted by givo-project

遠い太鼓

テーマ:UTA劇場
台風が去っていきました。

父めです。

わが家の掲示板の横に新聞の切抜きと一通の手紙が貼ってあります。

$GIVOデザインのブログ

新聞の見出しはこうです。

「支援態勢づくり本腰 支えよう在宅の重症児」

心ある医療者の育成を目指し名古屋大学が愛知県コロニーでの実習を始めました。

小児外科の外来や病棟。

重症心身障害児施設こばと学園の見学・勤務医との懇談。

そして在宅介護をしている親へのインタビュー。

重症心身障害児の医療に携わる医療者を増やす目的です。

これを発案し実習を行っている三浦教授はUTAが初めて愛知県コロニーに訪れた時

初診をしてくださった当時の先生。

その後主治医としてしばらくの間お世話になりました。

今回のこの取り組みにあたり5月初旬わが家へのインタビューをしてくださいました。

かみさんとUTA。

医学生3名。


新聞の切抜きの横に貼ってある一通の手紙は三浦教授からのものです。




UTAの一生懸命に生きる姿


お母様の子どもへの想い




学生たちは強く心にとめたことと思います。



学生達へのアンケートの中には

UTAが目や脈拍・発声を使ってのコミュニケーションに驚き

家族がとても前向きに子どもと向き合っている現状を見て

医療で何かできることはないか改めて考えさせられた

将来、救急外来などで障害のある方を診察する際「よく分からないから」と逃げるのではなく

できる精一杯のことをやっていきたい。


そんな力強い意見が書かれていたようです。


僕らの生活はその上で今日も成り立っているのです。



当時UTAの病名が分からず訪れた病院。

とても寒い日で冷たい雨が降っていました。

血液検査の結果を待つ前にほぼこの病気だろうと告げられた内容に

ただただ呆然とし言葉を失いました。

小さなUTAを腕に抱いて二人で泣きながら降りた長い階段。


その悲しい想いは今、

遠い太鼓の音のように「とーんとーん」とどこか知らないところで鳴り響いています。

きっと消えることはないでしょう。



僕らが生きている限り。



もう僕らの音なんだなと。





それは決して傷ではなくて



「想いの証」



であると思っています。




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