トヨタが営業利益を1兆500億円に上方修正、北米で中国をカバー
[東京 5日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は5日、2013年3月期の連結営業利益(米国会計基準)を従来予想から500億円積み増し、1兆0500億円に上方修正すると発表した。
中国の減速などで世界全体の販売台数は従来計画をやや下回るが、北米や中近東は好調に推移。コスト削減も寄与し、前年実績から3倍近い増益となる。トムソン・ロイター・エスティメーツによるアナリスト15人の予測平均値(過去90日間)1兆1679億円は10%下回った。
<中間期は10円増配>
上方修正の主要因はコスト削減。トヨタ単体の13年3月期の営業利益は、原価低減が奏功し前回公表の700億円の赤字から200億円の赤字に改善する見込みで、会見した小澤哲副社長は「単独の500億円の上乗せ分が連結全体での上方修正につながった」と語った。
通期の世界販売見通しは中国や欧州などの市場環境が不透明であるとし、従来の880万台から875万台に下方修正した。北米を240万台(従来予想は238万台)、中近東を69万台(同65万台)に引き上げる一方、債務危機に揺れる欧州を79万台(同83万台)に、日中関係悪化による中国での落ち込みを考慮したアジアを173万台(同178万台)に引き下げた。日本は従来見通しの225万台のまま据え置いた。
連結の売上高予想は従来の22兆円から21兆3000億円に減額したが、コスト削減が寄与するとして営業利益は上方修正、当期利益の予想は従来を200億円上回る7800億円を見込む。小澤副社長は、10月から来年3月までに中国の現地小売販売が計画比で20万台落ち込むと試算し、当期利益ベースでは300億円のマイナス要因を織り込んだと説明した。
10月以降の想定為替レートは1ドル=80円、1ユーロ=100円。通期平均で1ドル=79円、1ユーロ=100円とし、ドル、ユーロともに従来見通しから1円円高方向に修正した。
12年4―9月期連結営業損益は大幅に改善し、6937億円の黒字に転換した。前年同期は325億円の赤字だった。今回の実績の通期予想に対する進ちょく率は66%。中間配当は前年の1株20円から10円増配の30円としたが、期末配当については、先行きが不透明であることから未定とした。前期の年間配当は50円だった。 続く...