東日本大震災:がれき広域処理、熊本・明治学院大教授が批判−−石巻で講演 /宮城
毎日新聞 2012年11月05日 地方版
「海は誰のものか」「がれき除染はこれでいいのか」などの著書がある熊本一規・明治学院大教授(環境政策)が4日、石巻市泉町の同市労働会館で講演し、「がれき広域処理は利権のため」と政府を批判した。
熊本氏は、「がれきの量が宮城の場合は19年分とされた裏にはからくりがある」とし、母数を廃棄物全体にすると2・1年分に減ると持論を展開。さらに「がれき処理を国直轄にしようとしたことで利権が生まれてしまった」と指摘し、処理の遅れについて「大手ゼネコンへ丸投げして利権争奪戦になったことが原因」とした。
一方で、仙台市のように地元処理にすれば利権も生まれず、低コストで早期の処理が可能になり、雇用も創出できると提言した。
また、村井嘉浩知事が進める水産業復興特区についても、「漁業権は資源枯渇を防ぐ点からも有効で、国連食糧農業機関も地元主義に注目している」と批判した。【山越峰一郎】