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小野グループ3社が会社更生手続き 福井銀行が申し立て
(2012年10月26日午後6時16分)
福井銀行(本店福井市、伊東忠昭頭取)は26日、小野グループ(本部福井市)傘下のワシ興産(本社東京都港区、小野光太郎社長)、ワシマイヤー(本社福井市宝永4丁目、小野稔社長)、アサヒオプティカル(同)の3社について、東京地裁に会社更生法の適用を申し立て、保全管理命令が下りたと発表した。同行は3社から「10年間近く不正経理処理があり、10月末の資金繰りに窮している」との報告を受けているとした。小野グループは「保全管理人以外は公式のコメントは出せない」としている。
ワシ興産、ワシマイヤーは国内最大級の軽合金鍛造メーカーで自動車メーカー向けにアルミホイールを供給。アサヒオプティカルは眼鏡用高屈折率プラスチックレンズを製造している。
同行は3社に計181億6300万円を融資している主力取引銀行。同行によると今月初旬、小野グループ側から「事実と異なる財務内容を提出していた」とこれまでの不正経理と、資金繰りに窮していることについて報告があった。
小野グループ側は現経営陣による自主的な再建を望んでいたが、同行は不正経理に対して「裁判所の監督の下、透明性、公平性を持った再建手続きが必要」と判断。10月末の返済が迫っていることから会社更生法による手続きを選択した。金融機関が会社更生手続きを申し立てるのは異例という。
今後、手続き開始決定され次第、管財人の下で財産の管理、処分を行うとともに、更生計画を策定する。3社は高い技術力を持ち、顧客基盤も強固な上、合計で約300人を雇用している。福井市内で同日会見した伊東頭取は「従業員の雇用や地域経済への影響を考え、再生に向け最大限支援していきたい」と述べた。
3社の保全管理人に選任された新保克芳弁護士(東京)は小野グループホームページ上で「再建に向け事業を継続しながら、保全管理人として職務に努めていく」とのコメントを発表した。
