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七ヶ浜のワカメ養殖グループ、今季も挑戦 幼芽の本移植開始

花渕浜沖の海でロープの据え付け準備をする「花の淵わかめ部会」のメンバー

 宮城県七ケ浜町花渕浜のワカメ養殖グループ「花の淵わかめ部会」が2日、幼芽をロープに挟んで海に据え付ける本移植を開始した。震災後、浜の再生をかけて初めて取り組んだワカメ養殖。昨年冬は資材の不備で収穫量は少なかったため、2度目となるワカメ作りへの意気込みは強い。

 同部会のメンバーは、震災前までノリ養殖や刺し網漁をしていた4軒の漁業従事者。いずれも60代の夫婦で合わせて8人となる。津波で家やノリ養殖資材などが流され、数カ月はぼうぜん自失の状態だったという。
 それでも浜の再生に向け、ノリと比べ資金のかからないワカメ養殖に進出することを決め、準備を進めた。同部会代表の鈴木利雄さん(68)は「海のがれきから寸断されたノリ養殖のロープを探し、つなぎ合わせた」と語る。ワカメの種は塩釜市の養殖業者から分けてもらった。
 初めての養殖は困難続きだった。ワカメ養殖用の半分の直径しかないノリ養殖用の細いロープを使ったため、収穫期の今年2月、低気圧による海のうねりで約2メートルまで成長したワカメがロープから外れ、全体の3分の2が流失してしまった。
 再挑戦となる今回の養殖では、2月に収穫したワカメのメカブから培養した種を使用。養殖用の太いロープは七ケ浜町内のボランティア組織から提供を受けた。約60メートルのロープ120本を花渕浜沖の海に入れ、来年2月に60トンの収穫を目指す。
 鈴木さんは「前回は利益が出なかったが、今回は後継者につなぐために、ぜひとも成功させたい」と話す。養殖ワカメは、海藻類の生育に適した七ケ浜の海から生まれたブランド品「花の淵わかめ」として売り出す。


2012年11月03日土曜日


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