万里の長城遭難:ツアー会社、09年北海道で8人死亡事故
毎日新聞 2012年11月05日 11時54分(最終更新 11月05日 12時41分)
中国河北省の「万里の長城」付近で起きた日本人ツアー客4人が遭難した事故。企画した旅行会社は3年前に北海道で8人が死亡した山岳ツアーを主催しており、同社幹部は「申し訳ない」と繰り返した。
「アミューズトラベル」を巡っては、観光庁は10年12月、登山ツアー客ら8人が死亡した北海道・トムラウシ山の遭難事故(09年7月)を受け、ツアーの安全確保に問題があったとして同社を10年12月から11年2月まで51日間の業務停止処分にした。今回のトレッキングツアーでも安全確保が不十分だった可能性があり、観光庁は今後同社を立ち入り検査する方針。
観光庁によると、旅行業界ではトムラウシ山の遭難事故後、ツアー登山の運行ガイドラインを改定し、ガイドラインに沿って旅行会社各社でマニュアルを作るよう示した。業界団体が示したマニュアル例では、初めて企画するツアーでは十分な下見と情報収集を実施するよう求めている。
今回遭難事故のあったアミューズトラベルのツアーは初めての企画だったといい、観光庁はツアーの計画や運行に問題がなかったか調査し、もし問題が判明した場合は業務停止処分などを出す。