新党結成を目指す石原慎太郎前東京都知事は11月4日、フジテレビの報道番組に出演し、次期衆院選で100議席超を目指すと意欲を語った。それだけの議席数を獲得するためには、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会を中心とした「第三極」での連携が不可欠だ。しかし、日本維新の会と石原新党は、政策面ではかなり方向性が異なる。
橋下市長は、石原氏が掲げる「憲法破棄論」について強い抵抗感を示している。「憲法破棄論」とは、現行の日本国憲法は戦後にGHQから押しつけられた無効なものであるから、破棄した上で新たに日本人の手で新憲法を制定すべしという意見。これに対し橋下氏は「憲法改正論」の人だ。この理由について、彼は自身のツイッター上で「憲法は権力者を縛る唯一の存在だから、法にのっとった手続きを踏んで改正すべき」(要約)と説明している。
原発に関しても、石原氏が容認の姿勢であるのに対し、橋下氏は「2030年代までにゼロ化」を掲げている。ここまで対照的なふたりにも関わらず、日本維新の会の幹部は「絶対に組むと思います」と断言する。
「われわれの支持率は、悪評の高かった公開討論会を契機にガタ落ちしました。『週刊朝日』の件でも、支持率の下げ止まりくらいの効果はあったかもしれないけど、回復にまでは至らなかった」
この低迷する支持率回復の起爆剤が、石原新党との連携だ。
「石原さんが新党の結成を発表した直後の世論調査では、軒並みウチ(維新)の支持率が上がったんですよ。おそらく、新人候補だらけの維新に頼りなさを感じていた層が、石原さんと組むのならばと安心してくれたのでしょう。橋下さんは現実主義者です。よく《選挙は大戦(おおいくさ)だ》とも言っている。戦は勝たなきゃ意味がない。石原新党とは選挙前に協力関係を構築すると思いますよ」
しかし、肝心の政策の違いはクリアできるのか?