中国:万里の長城で日本人遭難…2人死亡、1人不明の報道

毎日新聞 2012年11月04日 21時18分(最終更新 11月05日 01時20分)

中国河北省張家口市の位置
中国河北省張家口市の位置

 【北京・工藤哲】中国国営新華社通信は4日夜、中国河北省張家口(ちょうかこう)市懐来(かいらい)県にある世界遺産「万里の長城」付近で3日深夜、山歩きに来ていた日本人観光客4人、中国人1人の計5人が強風と雪のため身動きが取れなくなり、日本人2人が死亡、1人が行方不明だと伝えた。

 新華社によると、死亡したのは渡辺邦子さん(68)と姓が小川という女性(62)。行方不明となっているのは柳井尽一郎さん(76)。救出されたのは渡辺美世代さん(59)、中国人ガイドの男性(25)。北京の日本大使館が確認を急いでいる。

 遭難した日本人4人の出身地や職業、関係などは分かっていない。地元の警察、消防や軍の装甲車、住民らが現場に向かい、救援活動に当たっている。

 現場は北京市と河北省の境界地域。報道によると、5人は明の時代から残る長城周辺に北京側から入り、3日午後11時(日本時間4日午前0時)ごろ、懐来県の頂上付近で身動きが取れなくなったという。

 中国人ガイドが先に下山し警察に通報。「高齢者1人が意識不明の重体」などと説明したという。

 河北省や北京市北西部では3日夜から4日にかけて寒波に見舞われ、現場に近い北京市延慶県では1960年以来52年ぶりとなる47センチの積雪を記録した。各地で交通機関が大幅に乱れ、河北省と北京市中心地を結ぶ幹線道路では天候不良の影響で多数の車が立ち往生した。

 現場周辺は山がちな地形で標高1000メートル近くに達する場所もあり、通信事情も悪かったとみられる。

 万里の長城は、多くの日本人が北京観光の際に足を延ばす主要スポットとして人気がある。ただ多くの観光客が向かうのは、交通事情や利便性などを考慮し、北京市郊外の八達嶺(はったつれい)や慕田峪(ぼでんよく)などが一般的だ。

 現場は、八達嶺長城から南西に約20キロ離れた地点。北京の中国人旅行業関係者によると、現場周辺の長城は修復されておらず、階段や観光設備も整備が不十分なため、「常識的には観光客を連れて行く場所ではない」という。

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