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細胞「初期化」、胃がん前兆でも=遺伝子レベルで解明―東大

時事通信 10月30日(火)4時14分配信

 胃がんの兆候の一つに、胃に腸の細胞が現れる現象(腸上皮化生)があるが、東京大の研究チームは29日までに、この現象の背景に人工多能性幹細胞(iPS細胞)でみられるような「初期化」が自然に起きていることを突き止めた。論文は近く、米科学アカデミー紀要に掲載される。
 東京大大学院医学系研究科の畠山昌則教授(分子腫瘍学)らは、胃がんや胃潰瘍の原因とされるピロリ菌が胃の細胞内に注入する物質が、本来は腸の細胞で現れるCDX1というたんぱく質を生み出していることに着目。培養したヒトの胃の細胞を使い、細胞内でのCDX1の働きを遺伝子レベルで調べた。
 その結果、CDX1は胃の細胞内で、一度分化した細胞を初期化し、どんな細胞にもなれる能力を持たせる遺伝子群を活性化していることが判明。これらの遺伝子の一種はiPS細胞などの「万能細胞」作製にも使われており、同様の初期化が胃の細胞で起きていることが分かった。 

最終更新:10月30日(火)8時41分

時事通信

 

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