除染手当、作業員に渡らず 業者が「中抜き」か 福島
朝日新聞デジタル 11月5日(月)7時6分配信
【青木美希】政府が主導する東京電力福島第一原発周辺の除染で、現場作業員に税金から支払われる「特殊勤務手当」が本人に支給されていない事例が相次いでいることが分かった。元請けのゼネコンに続いて下請けがいくつも連なる多重請負構造の中で手当が「中抜き」されているとみられ、環境省は実態調査に乗り出す。
環境省は今年1月から作業拠点となる役場などの先行除染に着手。すでに18件(計35億円)を発注し、数千人が働いている。環境省は、通常の給料とは別に現場の線量や原発からの距離に応じて1日3300円〜1万円の特殊勤務手当を作業員に支払う契約を元請けの11社・1組合と結び、手当分を含めて除染事業の予算を計上している。
ところが、ゼネコン6社が受注した1億円以上の先行除染の6件すべてで、作業員に手当が適正に支給されていない事例が朝日新聞の取材で見つかった。
複数の下請け会社幹部や作業員が「作業員に渡していない」「受け取っていない」と証言。「他の会社も払っていない。作業員に手当のことを知らせず、日当5千円で働かせている会社もある」と話す社長もいた。
朝日新聞社
最終更新:11月5日(月)7時6分
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