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政治
【河合雅司の解読・少子高齢時代】東京郊外がゴーストタウンに
「敬老の日」に合わせて総務省が発表した推計によると、65歳以上の高齢者が初めて3千万人を突破した。
だが、本番はこれからだ。国立社会保障・人口問題研究所によれば、30年後の2042(平成54)年に3878万人でピークを迎えるまで、高齢者数は増え続ける。
大きく伸びるのは、高度経済成長期に地方から大量に移り住んだ東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県(東京圏)だ。国土交通省の首都圏白書が2005年から2035年にかけての高齢化の伸びを予測しているが、全国平均が45・1%なのに対し、東京圏は77・0%である。50%前後の関西圏、名古屋圏と比べても突出している。
東京圏をさらに詳しくみると、実に興味深い。東京23区を取り巻くように高齢化率4割程度の自治体がずらりと並ぶ。郊外の自治体が、高度成長期に流入した人の受け皿になってきたことを証明するものだ。だが、これらの自治体の急速な高齢化には、もう一つ大きな要因がある。彼らの子供である「団塊ジュニア世代」以降の若者が流出したことだ。
背景には、社会構造の大きな変化がある。東京圏に出てきた団塊世代などは「適齢期」に一斉に結婚し、「子供は2人、妻は専業主婦」というのが一般的だった。都心から遠く離れてもマイホームを求めたのである。
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