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被災地と和文化の復興を 宝塚の稽古帯、仮設住民に発注

宝塚歌劇団の稽古で身に着ける「角帯」の出来栄えを確認する中野さん(右)と被災者ら

 仙台市青葉区でカフェを営む中野由美さん(44)が、東日本大震災の被災者に宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の稽古着の帯を制作してもらう活動に取り組んでいる。宝塚に限らず、広く帯の受注も呼び掛ける。中野さんは「被災者の励みになる。被災地と和文化の復興にもつなげたい」と意気込む。

 中野さんは震災を機に、催しなどを通じて着物や和文化の良さを見直す活動を続ける。
 今回の企画も、中野さんの活動に賛同するカフェの常連客の声がきっかけだった。10月上旬、ある宝塚女優から「男役の稽古着の帯が地味でつまらない」と聞いた常連客が中野さんにその話を伝え、稽古着の帯の受注につながった。
 宮城野区の扇町4丁目公園仮設住宅に暮らす被災者が10月末、帯を作った。長さ3.7メートル、幅約10センチの角帯。材料費と被災者への作業代を含め、1本7200円で販売するという。
 帯は紺色を基調にヒョウ柄の布を「接(は)ぎ」などの手法で縫い合わせ、あでやかに仕上げた。ミシンを担当した被災者の小野文子さん(64)は「作業も楽しいし、注文が増えれば仮設の暮らしにも張り合いが出る」と満足げに語る。
 中野さんは、宝塚の女優からさらなる注文を期待する。一般からの要望にも応えるという。「この支援活動を通じ、和の良さを見直すきっかけにしたい」と話す。
 活動に必要な着物の生地や中古ミシンの無償提供も呼び掛けている。連絡先はカフェ「梅らぶ」090(2849)3699、umeluv88@gmail.com


2012年11月05日月曜日


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