我は

幾里にも及ぶ蜃気楼のごとき巨大な海蛇であり

波一つ無い夜に響く竪琴と歌声の主であり

日に三度、猛り狂う巨大な渦潮であり

何世紀にも渡り全てを飲み込むこの世の果ての海域であり

6匹の怪物に6人の生贄を要求する美しき妖女であり

戦列艦を船底から3つに圧し折る深海の怪物であり

聖書に記されし、偉大なる7つの頭に7つの冠を戴く

王である。











帝国の艦隊は遠征を行う前に

海に生贄を捧げる。



生贄といっても人間ではない。

主に帝国の軍門に下った亜人種の王族が主である。


その日、生贄に捧げられたの哀れな姫君は

馬人族の姫であった。

生贄と言っても、海神だの何だのがでてきて浚っていくわけではない。

大抵がただ鮫だの鯱だのの餌になって海の藻屑と消える。

そして遠征軍も普通に大時化に合い壊滅する事もあれば

無敵艦隊と謳われ凱旋する時もある。



姫が投げ込まれたのは大陸の西に広がる教皇領の沿岸沖、300帝国海里。

魔力のかかった拘束衣を着せられ無造作に放り投げられた。

教会の教えを断固拒否した己の国の精霊に忠実な姫は

教皇領にて淫らな拷問の餌食となっていた。

拘束衣はその拷問の名残であり、何とも卑猥な物であった。


奴らは拷問に淫魔どもを使う。
聞きしに勝る腐敗っぷりである。


しかし淫魔どもの責めも姫の心を挫く事はできなかった。

そこへこの遠征の計画が舞い込み

帝国は彼女を海の神に捧げる事にした。



大海に沈みゆく中、姫は異変に気付く。

昼間だというのに海の中は夜のように暗い。

魚類の影もない。

姫は死よりも恐ろしい戦慄にもがいた。

だが。それはすでに目の前にいたのだ。


暗闇と思っていたそれは巨大な怪物であった。

海の恐怖を一纏めにしたようなその怪物の

美しい女の部分が姫に問いかける。


『奴等が憎いか?』

海の中で響く不思議な声。

妖しい唇から紡がれるその音は、男とも女ともつかない奇妙なトーン。

『それがどうしたのです。私は死ぬのです。』

『死なぬわ。』

怪物の目がギラリと光る。

『美しい心をしておる。お前を喰らう。』

無数の頭足類の触手が姫に絡みつく。









『やめなさい!』

姫は必死に抵抗するが全く意味がない。

海の中では逞しい下半身も全く役にたたず

怪物の力は万力の様。


巨大な魚達がネットリとした口を開き

姫の下半身に喰らい付く。

『ひぃあああっ!』

途轍もない痛みを覚悟していたが全身を襲った間隔は痛みではなかった。

『低劣な魔物どもに散々弄ばれたな。毒を吸い出してやろう。』

淫魔達の拷問は全身に媚薬を塗りたくり

火照りに火照った陰部を様々な手段で陵辱し

何度も何度も絶頂の手前で責めを止めるといった卑猥な方法であった。


魚怪どもの舌が膣を拘束衣越しに撫で上げる。

肛門には別の舌が深々と突き刺される。

そのままジュルジュルと淫らな音を立てて

淫液と媚薬が入り混じった体液を激しく吸いとられる。

『ああっ!あああぁっ!だめぇっ!んんっ!んああああぁぁあぁっ!』


とんでもない快感が姫の全身を駆け巡る。

逞しい筋肉に包まれた馬身の4脚が激しく痙攣し

可憐な上半身を震わせる。

下半身に溜まった淫液は止め処無く溢れ出し

長い長い絶頂が続く。

『んんっ!!!ひぃいあぁっ!あああああっ!』

今や卓越した運動性能を誇る獣の下半身は

人間の上半身では制御しきれないような凄絶な快感を

果てしなく送り続ける快楽装置となって、か弱い神経を焼き尽くす。


怪物の無数の触手が

快感で赤く腫れ上がった姫の全身を覆い始める。


『ひぁ・・・ひゃめ・・・てぇ・・ああああっ!はあっ!ああああぁっ!』

言葉にならない懇願は一切聞き入れられず

暴君の触手は姫の全身を雁字搦めに締め上げる。

『んあああああああああっっ!!!!!!!』

ブヨブヨとした触手が姫の全ての愛液を絞りだすように収縮する。

『ひぁあっ!!!・・・・・・・ああっ!はっっ!はっ!』

さんざん体液を吐き出したはずの淫部は

今まで以上のドロリとした濃い粘液を滴らせ始める。

並の性行為や淫魔どもの責めではこんな液体は分泌されない。

絶頂に次ぐ絶頂の果てに

雌が僅かに垂れ流す精液よりも濃い真っ白な禁断の蜜。

その蜜すらもジュルジュルと吸い尽くされ

姫の意識は深海よりも暗い海溝へと引きずりこまれていく。


逞しい体をビクンビクンと引きつらせて今だ絶頂の真っ最中の姫を

怪物は体内に包み込み、深い闇の底へと消えていった。

姫がその後どうなったのかは判らない。

王の真意など神ですら知る術はない。






その日は帝国海軍にとって正に悪夢の一日となった。

帝国沖に展開する海軍は勿論

停泊中の船舶も港ごと山の様な津波に呑まれて海の藻屑と消えた。











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