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大飯原発断層“必要あれば再調査も”
11月2日 18時10分

大飯原発断層“必要あれば再調査も”
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国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、敷地にある断層が活断層かどうかを検証する初めての現地調査を行いました。規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと、「必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。

大飯原発を訪れたのは、原子力規制委員会の島崎邦彦委員と学会から推薦された専門家の合わせて5人で、まず、関西電力からこれまでの調査について説明を受けました。このあと、敷地の北側で、地面の断面を見る「トレンチ調査」の現場を訪れ、「F-6破砕帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、地層を削るなどして調べました。
また、午後からは、「ボーリング調査」で抜き取った筒状の地層を手で触れて、破砕帯と思われる付近の性質や硬さなどを調べていました。2日の調査を基に、破砕帯を評価する会議が4日、東京で開かれることになっています。
規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと「現場に来てみないと分からないことがたくさんあったが、あさっての会合で評価する段取りになっている。必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。
また、ほかの専門家からは「1日という非常に短い時間だったので限られた情報しかない」とか「これから新たに資料を集めて破砕帯がいつどの程度動いているかを考えるべきだ」といった意見が相次ぎました。4人の専門家からのうち、これまで活断層の疑いが否定できないと指摘してきた変動地形学が専門の東洋大学の渡辺満久教授は「トレンチ調査の1か所で断層運動で出来た粘土を確認した。地層の年代がよく分からないのではっきり言えないが、地層がずれて変異したのは間違いないと思う」と述べました。
規制委員会は、去年3月の巨大地震を受けて、電力会社などが破砕帯を調べている大飯原発を含む全国6か所で現地調査を行う計画で、今回が初めての調査となりました。
国内で唯一運転している大飯原発では、破砕帯の上に原子炉を冷やすために使う海水を取り込む安全上重要な配管があり、規制委員会は、結果によっては運転の停止を求める考えを示しています。
これに対し、関西電力は、先月31日、「現時点では、破砕帯は活断層とはみられない」とする中間報告をまとめていますが、破砕帯を想定どおりに確認できておらず疑問が残る結果になっていて、規制委員会の判断が注目されます。

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