巨人 10―2 日ハム
2012年11月1日

昨日、広い札幌Dでは原監督の
『ホームラン待ってる作戦』が通用しないから有利性を失ってる旨を書いたんだけど、あにはからんや、
『ホームラン待ってる作戦』は生きていました。

レギュラーシーズン3HR、10打点に終わった
ボウカーが、初戦に続いてシリーズ
2号弾をライトスタンドに突き刺して先制しちゃいました。 (1年で10打点だったのに、シリーズで7打点目。)
2ストライクまでは
吉川の直球に差し込まれて前に飛ばなかったのですが、最後の球だけは指の掛かりが悪かったのかキレの無い棒球になり、まんの悪いことに
ボウカーが腕を伸ばして打てるゾーンにボールが来てしまい、見事にバットを振り抜けました。
それまで差し込まれながらも、思い切りよく振り切ってのファウルだったから、最終的にホームランに繋がったとも言えるんでしょうね。
CSの3戦目から
『苦肉の策』として起用した
ボウカーが『CS:10打数5安打、5割』『日本シリーズ:2HR、7打点』という
盆と暮れが一度に来たような活躍をするから驚きです。
一方、打たれた
吉川投手は制球が定まらないし、カーブも思い通り投げられないし、困っていましたね。
我が巨人軍の打者も
吉川のカーブを見切っていて、癖かなんかで球種が分かってるんじゃないかと思うほど余裕で見逃したりするシーンも見受けました。
−◆−
3回には、
エドガーにまでタイムリーが出る有様で、3回終了時段階で
『G5−2F』。
ここまでは、まだどっちに転ぶか分からない展開でした。

ところが4回に事件が起きます。
先頭・
寺内がエラーで出塁。
続く打者は、今季13試合出場で年間3安打に終わりながらも、
阿部の故障で唐突に起用された
カトケンこと加藤健捕手。
順当に「送りバント」のサインが出たようで、バントの構えをすると
多田野投手の球が顔の近くに!!
加藤はのけぞって転倒し、頭部を抑えて苦痛に顔をゆがめてます。
判定は死球で
危険球退場になったのだけど、
スロービデオが映ると多田野の球はカトケンを擦ってもいません。
(相撲の立行司の場合は、これほどの「差し違い=誤審」をやらかしたら『進退伺い』ですね。)
ボールをよけるカトケンが、ビビって目をつむってアゴが上がり、その際、
引いたバットが”おでこ”にぶつかったので、あたかも”頭部デッドボール”みたいに痛がってるだけのように見えます。
(
「自打球」ってのはよくあるけど、
「自バット」って初めて見た!?)
速球派ならまだしも、
多田野の球にビビって
目をつむるってのは、入団14年目のプロ選手としては、少しトホホな絵面でした・・・。
サッカーなら、相手選手の危険な接触による転倒をよそおい審判を欺く『シミュレーション行為』として、加藤がイエローカードを貰う場面なのに、多田野が一発レッドになっちゃうんだから不条理の極みでした。
(あのシチュエーションだったら、キャッチャー鶴岡は、もっと怒らんとアカンのちがうの?)

この、
擦ってもいない死球のお陰でチャンスが広がり、
坂本が犠牲フライを放って6点目。
この場面、
坂本は大振りせずに、コンパクトにバットを振り払ってフライになる打ち方!!
得点差など試合状況を計算した上で、犠牲フライで加点しようとした
坂本には、3番打者としての責任感みたいなものが見えました。
勢いでプレーする若手選手ではなく、主力選手としての存在感が備わってきました。
で、日ハムは
多田野の危険球退場で
「駒」を1枚無駄遣いさせられ、この得点差では勝ちパターンの投手をつぎ込むわけにも行かなくなりましたから、6点目が入った時点でほぼ試合の方向は決まった感じです。
−◆−
5回の巨人は、走者を2人置いて、さきほど偽危険球で丸儲けだった
加藤が打席に立ちます。
札幌ドームの観客席からは、すさまじいブーイング!!!
ネットの世界だったら「炎上」って感じで、
少なくとも3万5千人は敵に回したような雰囲気。
ところが、第一打席では振りが鈍くて打撃では期待できそうになかった
加藤がバットを振ると、なんと
中田翔の頭上を越える2点タイムリー!!
『8−2』となって、試合は完全に壊れました。
4打席目でも加藤はヒットを放ち、
『2安打、1偽危険球』の大活躍!?
エドガー、ボウカー、加藤の下位打線で5打点という、
確率的に高くない出来事が起きてしまうから、野球の神様は気まぐれです。
−◆−
内海は中4日だったせいか、4回くらいまではボールが抜けるシーンも見受けられて、けっこうアップアップだだったように感じましたが、大量援護のお陰もあって8回まで投げきることが出来ました。
これが僅差だったら、6回あたりで継投も考えざるを得なくなったと思いますが、
山口を使わずに済む
余裕の展開になりました。
(内海は、今年はこれでお役御免かな。)
−◆−
5番手で
斎藤佑樹が登板。
8回は、球にバラツキは有ったものの145キロの直球が高めや低めに適度に荒れて三者凡退に抑えましたが、ボールが低めに集まり始めた9回に4安打されて2失点。

リリースポイントが不安定だし、球持ちが良くないのがキツイですね。
かつては
「ハンカチ王子」として日本中から持ち上げられたのに、
とことん叩かれて「どん底」を味わっている
斎藤佑樹のリベンジはなりませんでした。
ちなみに、巨人・
鈴木尚は右投手・斎藤なのに、右打席でヒット。
スイッチやめてたっけ??
−◆−
9回は、
西村健ではなく
ゴンザレスで良いように思いましたが、まあ、いいっか・・・。
というわけで、原監督の脈絡の無い起用がズバッと当たるのも、選手層の厚さのお陰ですね。
星野監督や
野村謙二郎監督みたいに、少ない戦力をどうにかやりくりしながら戦う
『黄金伝説〜1ヶ月1万円生活』的な野球は原監督には無理。
耐えられなくなって
AKB48・河西智美みたいな羽目になるかもしれません。
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日ハムは半端ない負けっぷりだったお陰で
増井、宮西、武田久がお休みを取れました。
我が巨人軍は
武田勝を打てていないし、リリーフ陣も万全で来られると6戦目は苦戦かな。