青森のニュース
大間原発 電源開発工事の再開めぐり町に抗議殺到
電源開発(Jパワー)による大間原発の建設工事再開をめぐり、地元の青森県大間町に抗議の電話や電子メールが殺到している。脱原発の立場から理性的に町の姿勢を批判する内容もあるが、多くは事実誤認に基づいていたり、国の原子力行政への怒りをぶつけたりしている。応対した職員が一方的に罵倒されるケースも後を絶たず、町は対応に苦慮している。
同町企画経営課には、Jパワーが工事再開を発表した10月1日以降、主に首都圏や北海道函館市などから「少なくとも毎日10件以上」(担当者)の抗議の電話やメール、郵便が寄せられている。 町がなぜ原発を容認するかを冷静に質問する人もいる半面、「町が大間原発の工事を再開するなんてどうかしている」といった事実誤認も少なくない。 電話に出た職員に罵声を浴びせ、「原発交付金に依存しきった『麻薬中毒』め」などと言い放つ人や、特産の一本釣りマグロをめぐって「放射能マグロはいらない」と悪い風評をあおる内容も目立つ。長い人では電話で2時間もしゃべり続けるという。 担当者は「町は原発容認の立場だが、町が工事再開を決めたわけではない。丁寧に声を聞くように心掛けているが、精神的に大変」と訴える。 同町と隣接するむつ市でも、大間原発に関する批判が寄せられているという。同市には使用済み核燃料中間貯蔵施設が建設中だが、原発は立地していない。広報広聴課の担当者は「手軽に話せる自治体以外、意見をぶつけるところがないのかも」と肩を落とす。 Jパワーは政府の新エネルギー戦略決定を受け、事前に地元自治体の了承を求めることなく、工事再開を宣言した。同社の大間原子力建設所によると、再開直後に数件の批判の電話があったが、「最近はあまりない」(大間現地本部総務・広報グループ)という。
2012年11月04日日曜日
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