桑名さん　御堂筋パレード葬

　２６日に５９歳で死去した歌手桑名正博さんの葬儀・告別式が３０日、大阪市阿倍野区のやすらぎ天空館で営まれ、歌手の谷村新司（６３）や上田正樹（６３）ら関係者が別れを惜しんだ。

　式場には桑名さんの歌が流れ、祭壇にはギターを手にほほえむ遺影や愛用のギター、ステージ衣装が飾られた。親交のあった俳優原田芳雄さん（故人）の長男喧太（４２）は弔辞で「いつも人のために、約束を必ず守り、しんどいときも動いてくれた」と悼んだ。

　長男美勇士（３１）や妹晴子（５６）が桑名さんのヒット曲「月のあかり」を歌い、参列者が拍手を送るなど、音楽一家らしい葬儀となった。

　葬儀委員長を務めた歌手の内田裕也（７２）は「日本を代表するロックンロールボーカリストだった。せめて６９歳まで生きてほしかった」と早い死を悲しんだ。

　桑名正博さんを悼み、友人らが３０日、桑名さんの遺影を掲げた車など約１０台を霊きゅう車とともに走らせる「パレード」を大阪市中心部の御堂筋で行った。

　大阪市・中之島の市役所前から、桑名さんがライブなどで縁の深かったミナミの繁華街へ向けて出発。市役所では橋下徹大阪市長が見送り「（桑名さんから）いろいろと応援のメッセージをいただいた。大阪のスターです」と話した。

　沿道では多くのファンが見守った。大阪府交野市の主婦（６８）は「迫力のある声が好きで、デビュー以来ずっと聴いてきた。５９歳で亡くなるとは、あまりにも早いですね」と別れを惜しんでいた。

　ＮＨＫ総合は３０日午後７時３０分から生放送した「わが心の大阪メロディー」で桑名さんを追悼した。当初は病床の桑名さんにエールを送るコーナーが企画されていたが、死去にともない追悼コーナーに変更して放送した。

　同局大阪ホールのステージに桑名さんと同じ大阪出身で同じ年にデビューした谷村新司（６３）や、桑名さんの長男美勇士（３１）と次男錬（２４）が出演。遺影をバックに「陽はまた昇る」の熱唱で故人をしのんだ。