誤認逮捕:銃刀法除外規定気付かず8時間不当拘束…警視庁
毎日新聞 2012年11月03日 22時02分(最終更新 11月04日 09時32分)
警視庁多摩中央署は3日、刃渡り6.8センチのツールナイフを所持していた西東京市の会社員の男性(66)を銃刀法違反容疑で誤認逮捕したと発表した。銃刀法は正当な理由なく刃渡り6センチ以上の刃物を携帯することを禁じているが、ツールナイフなどの折りたたみ式は8センチ以上とする除外規定があることに、署員が気づかなかったという。同署は逮捕から8時間、男性を不当に拘束していた。
同署によると、3日午前1時半ごろ、東京都多摩市永山の路上で、車をとめていた男性にパトロール中の地域課の男性巡査部長(39)が職務質問した。任意で車内を調べると、助手席のダッシュボードからツールナイフが見つかった。所持の理由について、男性は「特にないが、あると便利だから」と説明。多摩市に来た目的もあいまいだったといい、午前3時、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。
しかし同日朝、出勤した上司が誤認に気付き、男性に謝罪。午前11時に釈放したという。黒沢正美署長は「誤って逮捕、拘束した方に心からおわび申し上げる。職員の指導、教養を徹底し再発防止に努める」とコメントした。同署は刃渡りの規定がない軽犯罪法違反(凶器携帯)容疑で男性を改めて任意で調べ、書類送検する方針という。【黒田阿紗子】