ゲーム形式の練習で果敢にドリブルで切り込む阿部(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF阿部翔平(28)が30日、ACL圏内の3位に入るため、より積極的なプレーをすることを誓った。27日の横浜M戦では今季公式戦13度目となる試合終了間際の失点で、勝利を逃した。悪癖の克服が急務だが、阿部は「こうやるんだっていうプレーをしっかりとやり通すこと。ミスを恐れずに」と語り、強い気持ちで残り4戦に臨む決意を示した。
残り4戦。ACL出場権獲得へ、チームの誰もが暗中模索するなか、阿部が自身の考えを披露した。まずは現状について「ひとつのミスが直接失点に絡んでしまうことが多くて、自信を失っているときがある。力強さが欠けてきている」と分析。そのうえで「1本のパスやドリブルをやりきることが、気持ち的には大事」と強調した。
オフを挟んで再始動したこの日、ゲーム形式の練習で阿部は積極的にボールに絡み、強引なドリブルでボールを運ぶシーンもあった。お互いが声を掛け合い、時には激しく奪い合った密度の濃い練習に、「しっかり狙いを持ってボールを動かしていたし、いい雰囲気だった」と手応えを感じとった。
「今はときどき何かに追われながらやっている感じがある」と話すように、チームは精神的な余裕のなさから後半終了間際の失点を繰り返している。阿部自身も20日の鳥栖戦で、3点をリードした後半ロスタイムに相手のマークを外し、不必要な失点を喫した。横浜M戦後は、「今日はたまたま真紀人だったけど、前回も僕がしっかりクリアしていれば良かった」とひとつひとつのプレーをやりきる重要性を強調した。
11月7日のFC東京戦まで、立て直す時間は十分ある。「こうやるんだっていうプレーをやり通すこと。ミスを恐れずに」。まずはそれぞれが自信を取り戻すこと。その先にアジアへの挑戦権がある。 (宮崎厚志)
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