名古屋グランパスのFWジョシュア・ケネディ(30)が腰の椎間板形成手術を受ける。川崎市の帝京大医学部付属溝口病院で12日に手術する予定で全治6週間。Jリーグ残り4試合の出場は難しいが、天皇杯で勝ち進んだ場合、年末に復帰できる可能性がある。クラブ側は来季もケネディを残留させる方針で、2年連続得点王のパフォーマンスが復活すれば、最高の“補強”にもなる。
慢性的な腰痛に苦しむケネディに、ようやく完全復活への道筋が見えた。10月24日、ケネディは帝京大付属溝口病院で過去に高橋由伸(プロ野球巨人)や小林大悟(清水)の手術も手がけた出沢明医師の診察を受けた。診断によると、骨と骨との間でクッションの役割を果たす椎間板に障害があり、痛みにつながっているという。
今季は腰痛との戦いをしいられてきた。「特にジャンプして着地するときに痛みがある」とケネディ。明確な治療法がわからないまま欠場と復帰を繰り返した。9月29日の新潟戦に出場して以降は、まともに練習すらできない日々。成績は18試合で5得点にとどまり、2年連続得点王の面影は消えていた。
悩めるケネディにとって、“腰の権威”と名高い出沢医師は頼みの綱。異国で手術を受けることに抵抗感もあったようだが、数日前に手術を決断し、12日に行われると決まった。手術自体は内視鏡による比較的簡単なもので、入院は2、3日で済む。2週間後にはランニングを再開できる見通しで、場合によっては天皇杯の出場も可能だ。
グランパスの久米GMは「原因がわかった以上、しっかり治してほしい。(得点王を取った)2010年、11年のパフォーマンスを出してほしい」と復活を期待する。仮に天皇杯に間に合わなかったとしても、来季を見据えて腰の不安を取り除く方針。残留は既定路線だと説明した。
現在ケネディを欠く前線にはDFの闘莉王が入っているが、あくまでも緊急的な措置。本来のエースが万全の状態でピッチに立ったとき、グランパスの強さもよみがえる。
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