紅白戦で、藤本(右)と激しくボールを奪い合う磯村=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF磯村亮太(21)が2日、次節FC東京戦での約1年ぶりのスタメン出場に名乗りを上げた。ボランチは田口が次節出場停止で、藤本、ダニルソンも調子が上がらない中、2日の紅白戦で随所にキレのある動きを披露。3日に行われるFC刈谷との練習試合(14時・トヨタスポーツセンター)はポジション奪取への絶好のアピール機会となる。
田口の出場停止で混沌(こんとん)とするボランチのスタメン争いに、同じ生年月日の若武者が急浮上した。両足第五中足骨の相次ぐ骨折という不運を乗り越え、10月28日の磐田との練習試合で約半年ぶりに実戦復帰した磯村。このときは右サイドバックだったが、今度は本職であるボランチで勝負するつもりだ。
「めちゃめちゃ出たいですよ。(前節の)横浜M戦だって、自分の感覚では復帰が遅れたのではなく外されたという意識が強い」
ただやみくもに意気込んでいるだけではない。レギュラー陣がシャッフルされたこの日の紅白戦で、好調さがひときわ目立った。ボランチの位置で的確にボールをさばき、リハビリ中に一回り大きくなった上半身で球際の力強さを発揮。30分間で自軍の3得点勝利に貢献した。それでも「まだまだ自分のイメージとのギャップがある。ここでボール取れるなあという場面で取れなかった」と納得はいっていない。刈谷戦は、そのギャップを埋めるための重要な試金石だ。
自身の離脱中に高卒同期入団の田口が台頭したことには、複雑な思いがあった。「最初は素直に見られない部分もあったし、そんな自分が嫌だなと思った時期もあった」。それでも、その思いも徐々に前向きな力に変わった。「悔しさもあったけど、それ以上にいい刺激になった。自分も早くピッチに戻ってがんばろうという気持ちになれた」。だからこそ、田口の代役で終わるつもりはない。残り4節のスタメン奪取へ、パワーアップした磯村が復活劇の幕を開ける。 (宮崎厚志)
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