力強いプレーで実力をアピールした千葉幕張高のFWペレイラ=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスが獲得に動いている千葉・渋谷幕張高3年のブラジル人FWチアゴ・ペレイラ(19)が、正式加入を前にド派手な“デビュー”を飾った。3日のFC刈谷との練習試合に控え組で出場、後半8分に右足で鮮やかにゴールした。相手DFをはじき飛ばす高校生離れしたパワーも披露。「千葉のフッキ」の異名をとる男が底知れぬ潜在能力を示した。
周囲の視線を一身に浴びる中、後半から出場したペレイラがわずか8分で答えを出した。ロングパスをゴール正面で受けると、左へドリブルを仕掛けた次の瞬間に左足で切り返し。一瞬でディフェンダーを置き去りにすると、落ち着いて右足シュートを蹴り込んだ。
「どうしてもきょうは1点取りたいと思っていた。点を取ってアピールすることしか頭になかった」。自分の将来を懸けた執念のゴールだった。
見せ場を随所につくった。相手DFをなぎ倒しながらのドリブル突破、巧みなヒールシュート−。特に競り合いの局面では、常にパワーで相手を圧倒。ストイコビッチ監督は「この試合だけで判断するのは難しいが、フィジカルが強いということは言える」と語った。
人並み外れたパワーは遺伝子だけが理由ではない。183センチ、80キロの肉体は来日後3年間の努力の結晶だ。「毎朝筋トレするのが日課なんです。ダンベルを使ったり、腹筋、背筋、何でもします。強い方が絶対有利ですから」とペレイラは言う。
パワーはすでに高校生レベルを超越し、50メートル6秒2のスピードも兼備している。渋谷幕張高の宗像マルコス監督は「『千葉のフッキ』と呼ばれています。実際、それだけの力は持っている」と語る。ポテンシャルは現ブラジル代表のエース格で、Jリーグでも活躍したフッキ級と断言した。
この日の試合で3日間の練習参加は終了。今後グランパス側は正式オファーへ動くとみられる。ペレイラは「(高校の)闘莉王先輩と一緒にやりたい。ここでプレーするのが楽しみです」と笑顔。強烈なインパクトを残し、吉報を待つ。 (木村尚公)
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