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【プロ野球】阿部、強行出場でV打2012年11月4日 紙面から ◇コナミ日本シリーズ2012<第6戦> 巨人4−3日本ハム傷だらけの主将が決めた。同点で迎えた7回2死二塁。3試合ぶりに「4番・捕手」で戦線復帰した巨人・阿部が、左腕・石井のスライダーを巧みにとらえた。センターへゴロで抜ける決勝のタイムリーヒットだ。テーピングをグルグル巻きにした足でなんとか一塁にたどりつくと、最高の慎之助スマイル。おどけるように頭上で2度、3度と手をたたくと、日本一を確信するように右手でガッツポーズを作った。 第3戦の5回。二ゴロを打った際に右膝裏に違和感を訴えた。第4戦はベンチ外。第5戦は出場メンバーに名を連ねたが、マスクをかぶるどころか出場することすらできなかった。移動日を挟んでの第6戦。自身が下した決断は、強行出場だった。「札幌ではチームに迷惑をかけたし、びびってたら何も始まらない。日本の痛み止めがこんなに効くのかとあらためて思ったけどね」。痛みをおし、扇の要に陣取った。 そんな悲壮感の裏返しのように、試合後はトークがさえた。「昨日いつもいってる治療院で宇宙から持ってきた治療器を使ったんだよ。その後、宇宙船に乗って、秘密の場所でティー打撃をやって、こりゃ行けるなってね」。プレッシャーからの解放感が、阿部を冗舌にしていた。 球界ナンバーワン捕手にして、最強打者。すでに球団の枠を超えた存在だ。今シリーズ中には日本ハムの高卒ルーキー近藤にねだられ、真新しいバットをプレゼントした。同じ右投げ左打ちの捕手。頂上決戦でも代打で3試合に登場した19歳は「捕手としてというより打者として目指したい存在。バッティング、すごいですもん」と証言する。 その天才的な打撃で、今季は自身初の首位打者と打点王を獲得。リーグ優勝も日本一も勝ち取り、原監督が「慎之助のチーム」と表現する存在感を十分すぎるほどに発揮した。「みんなが背負ったことのない責任感をオレ、背負ってる。その中で少しはできたかな」と阿部。最高の1年を締めくくるにはふさわしい日本一のV打だった。 (臼杵秀之) PR情報
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