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◆コナミ日本シリーズ2012第6戦 巨人4―3日本ハム(3日・東京ドーム) 巨人が日本ハムを4勝2敗で下し、3年ぶり22度目の日本一を決めた。3―3で迎えた7回2死二塁で、右膝裏痛から3試合ぶりに先発復帰の阿部が、決勝タイムリーを放った。6回3失点の先発・沢村から福田、高木京、マシソン、山口とつないで逃げ切った。東京Dで11度、胴上げされた原監督は、3度目のシリーズ制覇。藤田、王、長嶋らを抜く歴代5位タイとなった。
興奮で、痛みは飛んでいった。一塁ベース上で両手を上げ、手をたたく。ベンチに向かって、韓国人歌手・PSYの「江南スタイル」を踊って、おどけた。阿部が、打った。右膝裏を痛めている手負いの主将が、日本一へと導いた。同点の7回2死二塁、石井から中前へ決勝タイムリー。初戦に続くV打だった。「ちょーうれしいよ。明日は熱が出て寝込むんじゃないかな。本当に最高」。心の底からの言葉だった。
試合開始40分前、痛み止めの座薬を投与した。「多くても2試合。ここで、けがしたら運命。悪くなってもいい」。原監督に出場を直訴してグラウンドに立った。初回、中田の捕邪飛を全力で追いかけた。「走ったら一塁まで20秒はかかるかも」と冗談を飛ばしていたが、本能が体を動かしていた。
実際、試合に出られる状態ではなかった。第3戦で負傷した右膝裏の診断結果は「筋膜炎」。本人は「軽い肉離れ」というが、約1か月は安静にするのが普通だ。「足がもげたっていい」と気力だけだった。
約束を果たしたい。その思いだけだった。シリーズ前、ワインショップに立ち寄った。目に留まったのが、10万円の「2006年モノ」。悠夫人と結婚した年の代物だ。夫人に手渡した。「日本一になったら一緒に飲もうな」。1年間、ともに戦ってくれた妻に感謝を込め、シリーズに臨んだ。
11月1日は悠さんの誕生日だった。当日に届くよう、毎年恒例の「バラの花束」を贈っていた。メッセージカードも添えてのサプライズ。敵地・札幌から電話で祝った。「妻には迷惑をかけっぱなし。子ども3人を育てることは簡単なことではない。感謝しきれない」。足が痛かろうが関係ない。家族のために戦う。それが、阿部慎之助だ。
日本一の瞬間、全力で山口に抱きついた。一度は諦めたグラウンドでのプレー。10月27日の初戦で決勝打を放ち、最後も決めた。優秀選手賞も獲得。試合後は疲れ切っていた。痛み止めの飲み過ぎか、意味不明の言葉を並べた。「昨夜は宇宙から持ってきた最高の治療器具を使い、宇宙船に乗ってティー打撃してきたんだ」。苦しみを乗り越え、最後は笑って締めくくった。
(2012年11月4日06時05分 スポーツ報知)
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