東芝が業績予想を下方修正、NANDメモリーの赤字取り戻せず

2012年 10月 31日 21:18 JST
 
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[東京 31日 ロイター] 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は31日、2013年3月期の連結業績予想を下方修正したと発表した。営業利益は前期比28.3%増の2600億円となる見通し。従来は3000億円を見込んでいた。テレビの販売不振や半導体のNAND型フラッシュメモリーが4―6月期に値崩れし、赤字に陥ったことが響く。

トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト15人が過去90日間に出した営業利益予想の平均値は2517億円で、修正後の会社予想はこれを3.2%上回っている。

今期の連結売上高予想も前期比横ばいの6兆1000億円(従来予想は6兆4000億円)、純利益予想は同57%増の1100億円(同1350億円)にそれぞれ下方修正した。

会見した久保誠専務は、業績下方修正の主な背景について、4―6月期のNAND型フラッシュメモリーの損益悪化を「下期に取り戻せない」と説明した。4―6月期は供給過剰でNAND価格が下落し、営業赤字に陥った。7月下旬から始めた3割減産の効果により、7―9月期は「一定程度の値上げが実現できた」とし、7―9月期だけで「やっと3桁億円の黒字」になるまで回復したものの、4―6月期の落ち込みを補えないという。

10月以降もスマートフォン(多機能携帯電話)向けの需要増加を見込んでいるが、10月以降も生産調整を続ける。ただ減産幅はこれまでの30%よりは下回る見通しで、市況に応じて縮小を検討する。

<テレビ事業、通期で赤字残る見込み>

今期のテレビの販売計画は従来の1600万台から1300万台に引き下げた。久保専務は「国内販売の落ち込みが想定以上」と述べた。テレビ事業は4―12月期までは赤字で、13年1―3月期は黒字化を見込むものの、通期では赤字が残る見通し。

12年4―9月期の連結営業利益は前年同期比12.6%減の689億円になった。通期予想に対する進ちょく率は26.5%。前年同期の通期実績に対する割合は38.8%だった。売上高は同7.8%減の2兆6859億円、純利益は同23.9%増の251億円だった。   続く...

 
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