苫小牧のニュース

王子製紙、新聞用紙生産を苫小牧工場に集約

(2012年 4/19)

 王子製紙苫小牧工場の早野裕康工場長は18日、釧路工場が9月に生産を停止する新聞用紙の全量を苫小牧に移管する方針を明らかにした。国内需要の減少に対応し、生産体制を効率化するのが狙い。移管後、同社の国内8工場で新聞用紙の生産を続けるのは苫小牧のみとなる。

 早野工場長によると、同社は今秋にも移管を始める予定だ。釧路の年産能力は9万9000トン。これを苫小牧に集約し、操業をフル稼働に近いレベルまで引き上げる。

 苫小牧は6台の抄紙機で、国内全体の約3割に当たる年間80万トン超の新聞用紙を生産している。移管に伴い、年産能力は2011年度実績と比べて1割弱増える見通しだ。増産分は稼働率を上げて対応するため、新たな設備投資は予定していない。

 同社は3月、紙製品の市場変化を受けた生産体制の見直しを発表。愛知県の春日井工場と王子特殊紙江別工場でも上質紙の生産を停止し、釧路を含むグループ全体で印刷情報用紙の年産能力を約21万トン削減する方針を明らかにしていた。

 早野工場長は「コスト改善や人材育成に力を入れ、国際競争力をさらに強化したい。安全管理や環境対策も継続する。風通しをよくし、工場を活性化できれば」と話している。