地味な守備要員が晴れの舞台でサヨナラ打

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<飯山裕志(日ハム 内野手)>

「チャンスではいつも力んでしまうので、冷静に冷静にと思って打席に入りました。打った瞬間は捕られるかなと思った。抜けてよかった。うれしいです」

 0―0の延長十二回裏、1死一、二塁で西村から左翼越えのサヨナラ打。2勝2敗の五分に持ち込んだヒーローがプロ15年目の飯山だ。

 栗山監督が、

「(飯山)裕志が陰でどれだけ練習をしているか」

 と声を詰まらせたように、練習量はチーム一ともっぱらだ。日本ハムの練習好きといえば糸井。飯山の練習量はその糸井が裸足で逃げ出すほどだそうだ。

 鹿児島れいめい高から97年のドラフト4位で日ハム入り。実家は工務店を営み、7人兄弟。スカウトが指名挨拶に訪れると、父親からこう言われたそうだ。

「どうせハンパなんだから、死なない範囲なら何をやってもらっても構わない。アンタにウチの息子を預けた」

 入団時は「強肩俊足の内野手」という評判だったが、実際は肩が強いだけ。足は遅く、打撃もさっぱりだった。それでも強肩を生かした堅実な守備、内外野どこでも守れる器用さで、今やチームになくてはならない存在になっている。

 入団時の監督は上田利治。その後、大島、ヒルマン、梨田そして栗山と指揮官は代わった。過去、規定打席に達したことは一度もない。昨年までの通算打率は.205。今季の安打数は12本で打率は.176。本塁打も10年の西武戦で打った1本だけ。栗山監督が「裕志にとってはそんなにたくさんない打席」と言ったように、この日も九回の守備から出場した。

 そんな飯山でも評価は不動。査定のシビアさでは12球団一といわれる日ハムで、一度もクビの対象になったことがないという。生え抜きでは金子誠に次ぐベテランだ。

「僕の一打で2勝2敗? いえ、みんなの力です」

 と飯山。こんな謙虚なところも長くナインや首脳陣から信頼を得ている理由だろう。

(日刊ゲンダイ2012年11月1日掲載)

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