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■名曲復活「石巻の女」
2009.01.17
35年ぶり再発売 相次ぐ注文
カラオケブームで人気再燃
ファンの根強い支持実る/
 一九七二年にミリオンセラーとなった演歌「石巻の女(ひと)」の人気が再燃している。カラオケブームを反映し一昨年秋、三十五年ぶりに再発売され、その後もじわじわと売り上げを伸ばしている。石巻での反響が大きく、CD店にファンが絶え間なく訪れるほど。音楽市場への再登場に、地元ファンら関係者は「ヒット曲となり、石巻の元気につながれば」と願っている。

 「石巻の女」は六七年にキングレコードから発売され、東松島市(旧鳴瀬町)出身の歌手北美宏児さん(六一)が歌った。

 専属契約を希望するレコード会社が多く、五年後の七二年にクラウンレコードと契約し、再発売したところ、百五十四万枚の大ヒットとなった。

 清い男女の関係を歌った曲で、故郷鳴瀬や北上川など石巻地方の地名が出てくる親しみやすい古里演歌。「人の心を奮わせるメロディーで、郷愁を誘う」と口ずさむ人たちが多かった。

 その後、廃盤となったものの、カラオケブームなども手伝って、地元ファンや石巻出身者、転勤族らが歌い継いできた。こうしたファンらの要望もあり、二〇〇七年九月、ダブルウィン・レコード(仙台市)から再発売され、インターネットでは注文が相次ぐほどの人気ぶりという。

 「ついに再発売 あの名曲 本日入荷」の張り紙を出し、PRコーナーを設けている石巻市中央二丁目のミュージックショップ「オバタ」には、復活の情報を知ったファンが訪れている。正月には「何十年ぶりに出たと聞いて買いに来た帰省客もいた」という。

 同店を経営する小幡勝己さん(六〇)は「廃盤後も問い合わせが絶えなかった。名曲復活は根強く支持されている証拠。ご本人も大事に歌ってきたことが、復活に結びついたのでしょう。ぜひ全国的にヒットしてほしい」とエールを送る。

 北美さんは現在、仙台市に住み、県内外の各種イベントや老人ホームの慰問など地道な音楽活動を続けている。再発売について、北美さんは「子どもや孫たちが父親や祖父らにお土産として買ってくれる。うれしいですね。さらに一人でも多くの方に覚えていただくためにも、今後も一生懸命歌っていきたい」と話している。

 CD、カセットテープはともに千二百円(税込み)。
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