韓国の大学教授と韓国からの留学生50人が、京都大学など日本の主要大学40校に、旧日本軍の従軍慰安婦問題に抗議するポスター1万枚を掲示した、という記事を韓国最大の通信社・聯合ニュースが配信し、中央日報などの主要紙が2012年10月29付けの日本語電子版で掲載した。
大学教授は、常識が通用しない日本政府を相手にするより、日本の将来を担う若者にアピールする事が必要だった、などとインタビューに答えているが、本当にポスターは掲示されたのだろうか。
中央日報の日本語電子版によれば、実行したのは誠心女子大学教養教育院の徐敬徳教授。1万枚を3週間で掲示したポスターは2種類あり、一つは今年5月に米紙ニューヨーク・タイムズに掲載した全面広告と同じデザインで、70年代にユダヤ人虐殺被害者慰霊碑前でひざまずき謝罪する当時の西ドイツ・ブラント首相の写真が使われ、写真の上には
「元従軍慰安婦のハルモニ(おばあさん)たちは日本が心から謝ることを待っている」
と英文で書かれている。
徐教授は
「対話と常識が通用しない日本政府を相手にするより、日本の将来を担う大学生を相手に従軍慰安婦問題を伝え世論を形成していきたいと考えポスターを掲示した」
と説明した、と記事には書かれている。今後は米国と欧州の主要大学でもこのポスターを掲示する計画だという。
このニュースにネットで激震が走り、掲示板「2ちゃんねる」ではスレッドが林立する「祭り」に発展し「早くポスターを剥がせ!」「韓国は腐りきっている」などとバッシングが起こったが、次第にこのニュースに首を傾げる人が増えていった。それは、ポスターが見つかったという報告が全く挙がって来なかったからだ。
J-CASTニュースは、徐教授がポスターを掲示したと報じられた京都大学、岡山大学、名古屋大学、拓殖大学、立教大学に話を聞いてみたが、総務部や広報などの担当者は「そのようなポスターは見当たらない」と口を揃えた。岡山大学の担当者がこのニュースを知ったのは29日だとし、
「学内の掲示板、食堂などありとあらゆる場所を調査しましたが、丸一日経っても何も見つかりませんでした」
と打ち明けた。拓殖大学の担当者は、29日からポスターに関する問い合わせが何件も来ているとし、
「本当に迷惑な話です。報道は事実をきちんと書いてもらわなければ困ります」
と怒り心頭の様子だった。
ネットでは、1万枚のポスターを40の大学に掲示すれば、単純計算で1大学あたり250枚だが、何も見つかってないとすれば、記事は、「捏造」か「虚言妄想」だという結論になっていて、
「これ絶対に嘘。本当なら2ちゃんで大騒ぎになっているよ。そんな情報どこにもない」
「またまた韓国に騙されてやがんのwww」
「情報のソースが韓国だろ、信じるやつがバカなんだよ」
などといった書き込みが出ている。
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