男だ。全日本プロレスの大森隆男(43)、征矢学(27)のGET WILDが30日、世界タッグ王座を返上した。「世界最強タッグ決定リーグ戦」(11・17後楽園ホールで開幕)を前にベルトを返上するのは1994年の三沢光晴、小橋建太組以来、実に18年ぶりのこと。“古き良き伝統”を復活させたワイルド軍はその三沢組以来、史上3チーム目となる「返上↓優勝」のタッグ完全制覇を目指す。
こう見えても、やる時はやる。男を上げたのは征矢だ。最強タッグリーグ戦に向け「優勝しかあり得ない。王者として…」と抱負を語っていた大森を遮り「突然でございますが、このベルトは返上させてもらいます」と断言した。
大森は「何言ってんだ? 返上する必要はないだろ!」と一喝。いつもの内紛かと思われたが、征矢の決意は本物だった。「今年は全日本プロレスの40周年。この記念すべき大会で、昔の歴史にのっとって返上する」と過去のリーグ戦史を、相棒に延々と説明した。
リーグ戦前にタッグ王座を返上するのは馬場全日時代の恒例だった。1988年、インターナショナルタッグ王座とPWFタッグ王座を統一したジャンボ鶴田、谷津嘉章組が返上したのを皮切りに、94年の三沢、小橋組まで毎年王者が返上。丸腰でリーグ戦に臨むのが伝統となった。この7年間で返上した前王者組が優勝したのは89年の天龍源一郎、スタン・ハンセン組と94年の三沢組の2チームのみ。「7分の2か…確率的に低い。ベルトを持ったまま優勝すればいいじゃん」と難色を示す大森に対し、征矢は「世の中そんなに甘くない。これもワイルドの道だろ」と琴線に響くセリフを口にした。
すると大森は「ワイルドっていう言葉を出されたら俺も弱え…。分かったよ、兄貴」と観念。真面目にやっても、つい“三文芝居”に見えてしまうのはタマにキズだが、忘れられかけていた王道マットの伝統を、リスク覚悟で再び受け継ごうというその心意気や良しだ。これにより、リーグ戦は「新王者決定戦」に様変わりし、優勝チームが第64代新王者になる。
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