【古城博隆】「どうして、こうなってしまうんだろう」。戸惑いながら、沖縄の16歳はカメラのシャッターを押した。米軍の新型輸送機オスプレイが配備される前後の普天間飛行場ゲート前。市民と警官隊がぶつかり合う緊迫感のなかで、2千枚の表情を切りとった。
飛行場のある宜野湾市に暮らす浦添工業高校2年の比嘉緩奈(かんな)さん。7月の全国高校写真選手権大会(写真甲子園)で優勝した写真部3人のひとりだ。
9月30日、日曜日の朝。市民が普天間飛行場の各ゲートを封鎖したと、新聞で知った。自宅に近いゲートまで歩いて30分ほど。何が起きているのか、見てみたいと思った。本土復帰40年をテーマにした県内の写真コンテストも気になっていた。