参院は2日の本会議で27年ぶりに国会法に基づく野田佳彦首相への「緊急質問」を実施した。野田佳彦首相に通常国会で採択した問責決議への見解をただすのが理由だが、質問は外交や原発など多岐にわたり、野党が拒否した所信表明演説に対する代表質問と実質的に同じだった。代表質問を拒んでおきながら、緊急質問を求めた野党のちぐはぐな対応はわかりにくさを残した。
最初に質問に立った自民党の野村哲郎副幹事長は冒頭、首相に「問責決議を受け入れるなら総辞職か衆院解散の二者択一しかない」と迫った。その後は沖縄県の尖閣諸島や環太平洋経済連携協定(TPP)、前原誠司国家戦略相の事務所費などの問題を取り上げた。他の野党も原発や復興予算の流用などに触れた。
参院で多数を占める野党は「首相が問責決議に誠意ある対応を示していない」として、参院で憲政史上初めて首相の所信表明演説を見送った。今回の緊急質問が代表質問と変わらなかったのは、そもそも野党が「代表質問の代わり」と位置付けていたからだ。
問責を採択した当初は「首相を二度と参院に迎えることはない」(自民党の脇雅史参院国会対策委員長)としていたが、審議拒否への世論の批判が高まるにつれ、中小野党から緊急質問の制度を活用する案が浮上。自民党幹部は「問責した首相の所信は聞けないが、何もしないわけにもいかなかった」と釈明する。
民主党は反発している。参院議院運営委員会で「所信表明演説と代表質問が先だ」と本会議での緊急質問実施に反対し、質問も見送った。輿石東幹事長は本会議後の党会合で「参院はもう要らないと問われる状況だ」と憤った。
首相は緊急質問への答弁で、問責を受けたことについて「深く肝に銘じ、重く受けとめている」と繰り返すだけだった。自民党内からも「質問に緊急性がなく、意味はなかった」(中堅議員)との声が出た。野党は予算委員会で攻勢を続けたい考えだが、民主党は「所信表明演説が先」と譲らない構えだ。
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