【金子元希】会計検査院は2日、2011年度の決算検査報告を野田佳彦首相に提出した。公金の不適切な経理や無駄遣いが513件、5296億円に上った。特定の法人で多額の不要資産が見つかったことで突出した額になった09年度に次ぎ、2番目に多い金額だった。
検査院は11年秋から1年間、省庁や自治体、独立行政法人、国が出資する法人などの会計を調べた。3月で東日本大震災から1年が過ぎたことを踏まえ、復旧・復興事業や防災対策の検査にも本腰を入れた。
5296億円のうち、最も高額だったのは都市再生機構(UR)のニュータウン整備事業。造成や分譲に至っていない土地が900億円分以上あるという。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)をめぐり、日本原子力研究開発機構が830億円を投じた関連施設を活用していないことも指摘した。