Pre season

◆第三話 『大学病院助教授、墜落殺人事件! 日付の違う乗車券の謎と、死体が語る美人外科医の秘密』

脚本:輿水泰弘 監督:和泉聖治
ゲスト:伊藤裕子 東根作寿英 中原丈雄 中丸新将 銀粉蝶


大学病院内で殺人事件が発生!
動機は教授選に絡む身内間血みどろの争い!
有力助教授の肩を持つ若手医師たちが、助教授の為に対立候補を殺害した!!

……3行でまとめるとそういう話です。
ただ、それだけで終われば、よくあるそこいらの凡庸な推理ドラマなのですが、
結局この話で訴えたかったのは、命の価値という話。
確かに殺された金子医師は、患者の命を蔑ろにとは言い過ぎやも知れませんが
少なくとも対立候補の太宰医師よりは適当な医者で、実際氏が教授選に勝っていれば
患者の処遇が今より悪化する可能性は高かったでしょう。
しかしそんな金子でも命は命。それを殺した若手医師たちに
医師を名乗る資格などありゃあしませんと。
実際の劇中ではそこまで厳しいセリフでは無かったですけれど、
同じ話が連ドラ中に放送されていたのであれば、
そういう激昂のされ方だったのではないかなぁと、
ラストの右京さん激昂を見ながらふと思ったりしました。
なんとなくね、連ドラ化されてからの方が犯罪に対して
より毅然とした態度になったような気がするんですよ右京さん。
まぁ決して昔は甘かったというわけではないですが。人間的にも尖ってたし。

また同じく命に関連して、
話に安楽死問題を組み込んできたこともこの話の特徴。
ただ、事実を告白した太宰医師に対し
「我々は人殺しを捕まえに来たんです」
と、見逃したわけではないもののそれ以上問わなかった右京さんの言葉。
結局太宰は公にするということで非の方向に傾いている感はありますが、
どちらだっていう強い答えは出してないんですよね、安楽死の是非については。
まぁ実際判断が難しい問題だと思いますし、一方の判断にだけ偏ったのでは
主義主張ゴリ押しのお説教番組と取られかねませんので、問題提起を行っただけでも
十分価値があったと思いますよ。医療ドラマでもなかなか扱わないテーマですし。

薫ちゃん成長記の観点から見ると、
この話によって薫ちゃんは完全に杉下右京という相棒を信頼しきりましたかね。
そのことを顕著に表しているのが、下でもあげている
「俺の相棒はどこだ!」というセリフ。
また、前半に薫ちゃん、そしてラストに右京さんが、
それぞれ相手のことをネタにして爆笑している辺りも、
それだけ二人の信頼関係がしっかり構築された証拠なんだろうなぁー



さて、今回も細かいところが気になるのが僕の悪い癖
【小ネタ拾いコーナー】

・冒頭、炎上する化学工場のCGが……
CGに金をかけないのは相棒の伝統なのか……

・盲腸で病院に運ばれる右京さん、TVカメラにガン映り
しかも思いっきりカメラ目線、そんな元気そうな火災被災者いねぇよ
そして駆けつけた薫ちゃんは大爆笑。

右京さん、腹を切ったとは到底思えない捜査っぷり
手術の数日後にゃもう院内で歩いてますし、盲腸手術ってそんなに軽いモンだっけか

・特命係、何故か生活安全部を離れて別室へ移動。
薄暗い物置部屋で、本当に陸の孤島状態。
まぁ窓際部署というよりは、地下組織だよなぁ

・捜査が進むうちに明らかになる、安楽死問題。
事件をよくある大学病院内での権力争いだけに収めず、
もう一段階深い所をえぐっていくのが、やっぱり相棒だなぁーと。

「俺の相棒はどこだ!」
このセリフを言わせたいがための、終盤右京さん監禁だったんだろなぁ
いや、実際緊迫感もありまして、いい下りだったと思いますよ。

・ラストシーンは三話連続建物の屋上。
(一回目・警視庁屋上 二回目・倉庫屋上 三回目・病院屋上)
基本的に屋上好きだなーこのドラマ。

・1人だけ微妙に殺害動機が違う佐野センセ。
皆太宰助教授のために今井を殺害したのに、佐野センセだけ
「レポート貶しやがって」と微妙に個人的事情が優先気味。

・美和子、薫ちゃんとのバカップルぶりをこれでもかと見せ付ける。
「疲れついでに、もうちょっと疲れてみる?」
……見てるこっちが恥ずかしいわ君ら。

・翌日、早速右京さんにからかわれる。
「昨日はお疲れだったようで」「首筋に赤いあざが付いてますよ」
そして慌てる薫ちゃんを見ながら、
後にも先にも見せたことのない、大口開けての大爆笑。
……入院で笑われたことの仕返しだったんだろなぁー


【今日のいたみん】


・第三話。

基本的に土ワイ時代は薫ちゃんを完全に敵視している伊丹さんですが、
この回の尖りっぷりはハンパ無かった。
「警察辞めちまえ」とか「お前に杉下右京の真似は出来ねぇよ」とか
確実に当人を貶めにかかるキッツイセリフを浴びせかけて。
(で、実際薫ちゃん、それによってどうしようもなく凹まされて)
所轄署で出くわした際も、小突き合いどころじゃないマジ喧嘩。
ここは所轄の禿刑事がうまいこと仲裁に入ってくれましたが。

しかし尖っているのは何も薫ちゃんだけに対してのみならず。
重要参考人として太宰助教授に話を聞きに行く時もえらく高圧的に対応。
更にわざわざ5〜6人の取り巻きを引き連れて、教授総回診の前に仁王立ち。
えらく実力行使したなぁー今回。


しかし伊丹がこうやって多人数引き連れてるのも、随分と珍しい画だわな。

あと、今回だけ登場した捜査一課の山田係長。
殆どと言っていいほど出番もなくて、何のために出たんだろうなぁ……


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