地方公務員:平均給与、国家公務員を上回る 9年ぶり逆転

毎日新聞 2012年11月01日 21時43分(最終更新 11月01日 23時56分)

国家公務員を100とした場合の地方公務員の給与水準
国家公務員を100とした場合の地方公務員の給与水準

 財務省は1日、12年度の地方公務員の平均給与が国家公務員を6.9ポイント上回り、9年ぶりに逆転するとの試算を財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示した。東日本大震災の復興財源確保のため、国家公務員給与が12年度から2年間、平均7.8%引き下げられたことが主因。財務省は13年度予算編成で地方自治体に自主的な給与削減を要請。地方公務員の給与の一部に充てられる地方交付税を抑制したい考え。財政審は「民間企業と比べても高い」などと見直しを求める方向で一致したが、地方自治体の反発は強く、実現のハードルは高そうだ。

 財務省は地方公務員の12年度の給与が11年度と同水準と仮定し試算。国家公務員の給与と比べる「ラスパイレス指数」は、国を100とした場合、地方は106.9となった。全国の自治体(約1800)のうち約85%で職員の給与が国の水準を上回った。平均給与が高いのは都道府県別では秋田111.9▽愛知111.8▽静岡111.7の順。政令市では横浜112.2▽川崎112.1▽名古屋111.9の順だった。

 13年度予算の概算要求では、地方の財源不足を補うために自治体に配る地方交付税の要求額が16.9兆円と今年度予算比で約2%増加した。これに対して、財務省は地方自治体が国並みに公務員の給与を下げれば、1.2兆円(国の負担は2分の1の6000億円)の歳出抑制が可能と指摘。14年からの消費増税もにらみ「増税への国民の理解を得るには地方も給与削減に取り組むべきだ」としている。

 1日の財政審では、委員から「地方公務員の給与が高いままでは、交付税の総額を減らせず、国の借金も減らない」といった意見が続出。13年度の予算編成に向けて財政審が11月末にまとめる報告書で地方公務員の給与削減の必要性を指摘する方針だ。

 ただ、すでに人員や各種手当削減に取り組んできた地方自治体からは「11月から給与を1.5〜7%カットし、一般職員も5年で約600人減らした。国と同様に減らせというのは理解できない」(秋田県)などと反発の声が上がっている。民主党の支持母体の連合傘下の自治労や日教組の抵抗も必至だ。【工藤昭久】

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