UPDATE1: 中国人民銀、経済成長優先へ 海外の逆風で回復なお不安定
[北京 2日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は2日、景気の下支えに最優先で取り組む姿勢を示した。中国の成長エンジン回復が弱含んでいるとの見方を裏付けた。
人民銀は第3・四半期の金融政策報告で、経済活動の不振によって価格圧力が抑えられ、インフレトレンドは「安定的」との見方を示した。
人民銀はウェブサイトで「次の段階では、経済成長の安定化をより重要な課題とする」との方針を示した。
中国の2012年第3・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、7四半期連続で鈍化した。内需・外需とも弱含んだものの、多くのアナリストは最悪期は脱したとみる。
だが、人民銀はより慎重な見方を示した。
欧州が債務危機への対応に失敗すれば、世界の需要は再び落ち込み、世界景気は2番底に後退する可能性があると警告した。
人民銀は「中国経済は引き続き、国内の力を培う必要があり、景気回復の土台は依然頑丈でない」とした。
人民銀は「慎重」で「微調整された」金融政策を維持する方針を明らかにした。
「物価は引き続き、需要の増加や成長を促進する刺激策に敏感となっている」と指摘、上昇する国内のエネルギー価格や労働コストも、インフレ圧力を高める可能性があるとの見方を示した。
さらに、米国の超低金利政策に一部起因する海外からの物価に対する圧力に備える必要があるとの見解を示した。
ただ、一段の緩和措置を今後講ずるかについて示唆することは避けた。
人民銀は金利水準や銀行の預金準備率を調節する方針には言及せず、公開市場オペなど利用可能な全ての手段を用いて政策を決めると述べるにとどまった。
金融改革について人民銀は、中国は金利市場の自由化を続け、人民元CNY=のより柔軟な取引を認めるとしたものの、為替は「基本的に安定的に」維持するとした。
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