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国際
集団レイプ事件 無罪の判決に非難の声 勇気ある女性は国内外から称賛 パキスタン
【ニューデリー=田北真樹子】パキスタン東部パンジャブ州の村で起きた集団レイプ事件で、被告の男6人のうち1人を除く全員が無罪となる判決が、最高裁であった。被害者の泣き寝入りが常となっている社会の因習を破り、勇気を持って法的手段に訴えた被害女性の行動は国内外の関心を集めていただけに、人権団体は最高裁の判決を非難している。
被害女性は、同州南部の村に住むムクタラン・マイさん(40)。2002年6月、村議会の指示により、公衆の面前で6人の男性からレイプされた後、裸で街頭を歩かされた。当時12歳の弟がライバル部族の女性と関係を持ったことに対する相応の行為として、姉のマイさんをレイプする判断が下された。
この後、マイさんはレイプ犯や指示を出した男らを訴えた。ラホール高裁は「証拠不十分」で、直接レイプに関わったとされる6人のうち5人に無罪、1人に終身刑を言い渡した。事件に関わったのは計14人。1人を除いて全員が自由の身となった。これを不服としてマイさんは05年に最高裁に上告。しかし、約6年を経て今月21日に出された判決は高裁の判断を支持するものだった。
判決について、パキスタン人権委員会は、「レイプが横行し、犯罪が報告されずに終わる国で、この判決は被害者に声をあげるのをとどまらせ、女性への犯罪を増加させるものだ」と非難した。「これが私たちの娘の扱い方だ」といった怒りの声が地元紙(電子版)に掲載されるなど、批判が相次いでいる。
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