ネットバンキング:複数の不正送金の形跡 名義人の口座に
毎日新聞 2012年11月03日 09時41分(最終更新 11月03日 10時17分)
大手銀行などのインターネットバンキングのホームページ(HP)に表示された不正画面を通じて顧客口座から200万円が不正送金された事件で、送金先口座の名義人の男(53)=犯罪収益移転防止法違反の疑いで愛知県警が逮捕=の口座に、他の顧客からとみられる複数の不正送金の形跡があることが捜査関係者の話で分かった。県警は被害者が複数に及ぶ可能性があるとみて実態解明を進める。
逮捕された男は名古屋市に住む派遣社員で、自分のネットバンキングの口座のIDとパスワードを知人の中国人に譲渡したとして10月31日に逮捕された。「犯罪に使われるとは知らなかった」と容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、男は中国人と日本で知り合い、ネットバンキングの口座を開設するよう依頼された。中国人に譲渡された口座には、200万円の被害者以外からも複数の送金が確認され、数十万円が送金されたケースもあったという。
県警は、中国人が、ネットバンキングの口座を持つ複数の人のパソコンをウイルスに感染させ、送金させたとみている。
不正送金された金は別々の中国人名義の3口座に分散して移されていた。うち1口座の名義人は日本人の夫を持つ中国人女性で、その口座からさらに中国に送金された形跡もあるという。県警は、中国人女性から事情を聴くなどして、各口座の名義人の関係などを調べる。