国内で唯一稼働している福井県の大飯原発について、原子力規制委員会が、敷地内を走る断層の現地調査を初めて行っています。調査が行われているのは、2号機と3号機との間を南北に走る長さ約900メートルの断層です。最近、40万年以内に動いたことが確認され、活断層と認定されれば、大飯原発は稼働停止となる可能性もあります。
(松井康真記者報告)
あいにくの雨のなか、2日午前10時から調査は始まりました。5人の調査団は、まず建屋の北側に調査用に掘られたトレンチと呼ばれる溝の中に入りました。調査のリーダーである島崎委員長代理が、自らコテのようなものを使って地層を削り取るシーンもありました。また、調査団のなかには、早くから「大飯原発の敷地内に活断層がないとは言えない」と指摘していた専門家も含まれています。調査は午後5時まで行われます。
(Q.この調査の結果はいつ出る?)
原子力規制委員会は4日、場所を東京に移して今回の調査を評価します。関西電力は「活断層ではない」と主張していますが、規制委員会の田中委員長は「黒かグレーなら原発を止めてもらう」と話をしています。電力の需給に関係なく、単に科学的にどうかということで判断するということです。今後の日本の原発政策に影響を及ぼす大事な調査となります。