ネットバンキングで利用者に暗証番号など不正入力させる画面
インターネットバンキングで、ログインした利用者に暗証番号などを不正に入力させる画面が表示されるケースが、初めて確認された。警察庁は、個人情報の入手を狙った可能性があるとみて、注意を呼びかけている。
街では「ないと不便ですね」との声が聞かれた。
銀行に行かずとも、「明細確認」や「振り込み」ができるインターネットバンキング。
ここに今、新たな魔の手が伸びている。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行のネットバンキングのウェブサイト上で、利用者がログインすると、「システムのメンテナンスや機能の向上のためにお客様情報の再入力をお願いします」などと、暗証番号や乱数表の数字の入力を求める偽の画面が表示されるケースが、26日までに5件確認されていたことがわかった。
街の人は「怖いですね。いつも開いているホームページからそれをやられると、信用しちゃうかもしれないですね」と話した。
これまで、フィッシング詐欺の手口の多くは、犯人側が金融機関になりすましてメールを送り、偽サイトへ誘い込んで、暗証番号を盗み取るものだったが、今回のケースは、金融機関のウェブサイトそのものに偽の画面を表示させるという、さらに巧妙な手口となっている。
ネットエージェントの杉浦隆幸社長は「(今回は)乱数表のような情報がやられていて、それをうまく入手することに関しては、新しい手口。(ネットバンキングは一般的になってきているが?)わなは張りやすい」と話した。
一部の利用者しか画面が表示されないことなどから、警察庁は、不正画面が表示されたパソコン自体が、ウイルスに感染している可能性が高いとみている。
各金融機関によると、今のところ、具体的な被害の報告はないということだが、警察当局は、不正アクセス禁止法違反などの疑いで捜査に乗り出す方針。